開館12周年記念講演 古代エジプトのヒエログリフで書かれた『ピーターラビットのおはなし』のおはなし

ピーターラビットイベント&報告
05 /29 2018
大東文化大学ビアトリクス・ポター資料館が開館12周年を迎え、4月15日に記念講演が開催されました。
18d03.jpg 
講師は東京大学付属図書館アジア研究図書館上廣倫理利財団寄付研究部門(U-PARL)の特任研究員 永井正勝先生です。先生は言語学の専門家で、特に聖刻文字(ヒエログリフ)や神官文字(ヒエラティック)などのエジプト語を研究されています。

まずは先生がお勤めのU-PARLについての簡単な説明がありました。東京本郷にある東京大学総合図書館がこのほど改修工事を終え、地下2階から4階までを自動化書庫とし300万冊が収蔵され、4階に世界最高水準のアジア研究図書館が2年後の2020年に開設されるその準備をされているそうです。

関連記事:日本経済新聞2017/11/7付け「地下46mに300万冊納める東大の新図書館

大東文化大学とも縁のある先生で、「言語学特殊講義2」の講義をされているそうです。講義に『ピーターラビットのおはなし』について取り上げた際、学生さんからピーターラビットの解釈について面白いエピソードなども紹介されました。あえてここでは内緒にしておきますけれどもね(笑)

1時間の講演でしたが、前半はビアトリクスの生い立ちに始まり、『ピーターラビットのおはなし』が誕生するまでの解説があり、後半はいよいよ本題の古代エジプト文字による『ピーターラビットのおはなし』についておはなしでした。

そもそも何故ヒエログリフ版を出版することになったのか?

その答えがヒエログリフ版の序文(Translators' Note)に記載されていました。ヒエログリフ版としての翻訳が35言語目で、ラテン語、スコットランド語ときてタイミング的にもちょうど良かったこと。

しかし、ビアトリクスが描いた世界と古代エジプトはあまりにもかけ離れていて、訳者の苦労は絶えず、問題がいくつも山積みだったとありました。
18d01.jpg
例えば、このおはなしの基本的な部分「ウサギ」という言葉の解釈は、ピーターはヨーロッパ・アナウサギ(Lepus cuniculus)であるが、エジプトにはもちろん存在しない種類なので、アフリカに広く分布するケープノウサギ(Lepus capensis)を示す、エジプト語のアルファベット表記で「Skhat(セヒャト、日本語でウサギ)」としたと序文に示されていた。

元々ヒエログリフには「ウサギ」を示す言葉「wn(ウヌ)」が広く使われていたため、その言葉も強調されなければいけないとも序文にありました。それが本文1行目の最初の言葉です。「ウサギ」の部分だけを訳してみると「ケープノウサギというウサギがいました」となるのかしら?

また、動物の雄と雌の違いを古代エジプトでは表現しないため、これをどのように訳すかという点も問題だった。それぞれ、着座した男性、着座した女性で区別することにした。
というように序文に翻訳で苦労した内容が綴られています。

翻訳者は古代エジプトの医学研究者のジョン・ナン博士(Dr. John F. Nunn)、エジプト文学の専門家 オックスフォード大学教授 リチャード・パーキンソン博士(Dr. Richard B. Parkinson)が担当され、永井先生曰くスペシャリストなお二方が翻訳されているだけあって「さすが」というか「そうきたか」というか「なるほど」という、とても楽しそうに説明してくださいました。

しかし、私達はおはなしを熟知してても、どこからどこまでがどうなっているのかさっぱりなので先生が楽しそうにお話くださるのをただ不思議そうに見守ることしかできませんでしたが、そのごく一部分をひも解いてくださいました。

翻訳に関する難しい定義もありましたがその部分はかっ飛ばします。
 
まず、タイトルのヒエログリフは、四角で区切った部分がその単語を示しているのですが、それぞれ「Tale of Peter Rabbit」となります。読み方は「セジェッド エン p-t-r セヒャト」だそうです。

18d05.jpg 
本文1行目で先生に教わったヒエログリフ、青の四角で囲った「Peter」の部分、最後に人の形をした男の人の文字は「着座した男性」で、これが漢字に置き換えるとにんべん、てへん、きへんなどのカテゴリーを示す「義符」のようなもの。

もうこの時点で????ですが、着座した男性の前にくっついている「しかく、半円、葉っぱのような形」はそれぞれ「p」「t」「r」の子音で、母音を表す文字がないので、「p-t-r着座した男性」で「peterオス」となります。(こんなに簡単な説明ではなかったはずですがお許しを)

こうして義符に注目して表紙のタイトルをみると、「Tale」は最後に口を手でふさぐ人の姿で「おはなし」となり、「Rabbit」はうさぎの義符がついています。

これを踏まえて本文1ページ目のフロプシー(Flopsy)、モプシー(Mopsy)、カトンテール(Cotton-tail)の部分、義符は着座した女性になり、f-rw-w3-p-s-y(Flopsy)、m-w3-p-s-y(Mopsy)、カトンテールのCotton(綿)は古代エジプトに存在しないのでLinen(麻)にしましたという脚注があり、sed-mebewセドメフ(Cotton-tail)と訳されている。

フロプシー、モプシー、カトンテール、ピーター、この調子で原文と照らし合わせながら読み解くと、Motherは着座した女性がついているところから緑の部分かな?とか、もみの木は木の義符があることからこれかな?とちょっとだけ読める!!!!(古代エジプトにはもみの木はなく、杉に置き換えられている)

古代エジプト語が読めるなんてすごい!!!(そこに書かれているのは『ピーターラビットのおはなし』ですから。テストの答えをあらかじめ知っててテストを受けるみたいな?)

どんな言語も一番覚えやすいのはなんといっても数字だと思うのですが、「あるところに4ひきのうさぎがいました」の「4」はどこだって探したら、「棒が4本」あるじゃないですか。

「くろぱんを1ぽんと、ぶどうぱんを5つかいました」の部分は、それぞれ「棒が1本」5の部分は「棒が上に3本、下に2本」となってました。「うえきばち3つ」は「棒3本」、どうやら数字は棒の数で示すようです。

では、古代エジプトには存在しないものを言葉に置き換えなくてはならない場合、翻訳の方法として「音訳借用」や「字訳借用」などの方法を用いて訳すそうです。
例えば、日本語の「ホットドッグ」は音訳借用になり、中国語では「熱狗」と字訳借用となります。

「くろなきどり(Blackbird)」は「黒い鳥」と字訳借用で置き換えられ、その他にも序文や脚注に書かれている通り、「手押し車(wheelbarrow)」は「ソリ(Sledge)」に、「くろいちご(blackberry)」は「甘い果物(sweet fruit)」、「すぐり(gooseberry)」は「果物(fruit)、「じゃがいも(potato)」は「大地のリンゴ(apples of the earth)」、「パイ(pie)」は「温かいパン(warm Bread)」など。

古代エジプトの言葉に置き換えられることで、この時代の人々に名作絵本が読み通じるかもしれないと思うと興味深かったです。

講演の終盤は、置き換えらえた言葉当てクイズのようになり、エジプトは雨が降らないので傘(umbrellas)はどのように表現したでしょう?答え:日傘(sunshade)
靴は?答え:サンダル
じょうろは?答え:陶器
金魚は?答え:赤くぴかぴかする
2週間(fotnight)を20日間と表現しているのは何故?答え:1週間が10日間だから


こんな風にヒエログリフを楽しく教えていただきました。

18d07.jpg 
おはなしの最後「The End」の部分は、エジプト文学のスタイルに倣って、「女性作家ビアトリクス・ポターの書物に見られた通りに、それは、はじめからおわりまで来た」と終わるのがスタイルだそうです。
聖刻文字のビアトリクス・ポター
世代を超えて愛される児童文学作品が、聖刻文字(ヒエログリフ)に翻訳され未来へと受け継がれていくんですね。

次は映画「メッセージ」のように異星人の言語に翻訳され、宇宙へ旅立つ日もあるかもしれません。な~んてね。

毎年楽しみな記念講演、12周年も素晴らしい感動を与えてくださいました。ありがとうございました。

ピーターラビットと楽しむ六甲山英国フェア

ピーターラビットイベント&報告
08 /16 2017
「ピーターラビットと楽しむ六甲山英国フェア」というイベントが、2012年より毎年(今年で6年目)ゴールデンウィーク頃から7月末までの期間限定で、六甲ガーデンテラス(兵庫県神戸市)で行われました。このイベントに毎年行きたいと思いつつ行動に移せなかったのですが、ようやく行くことができました。

17062401.jpg 
イベント内容は、六甲ガーデンテラスの英国庭園のそこかしこにピーターラビットとその仲間たちが展示され、美しい庭とピーターラビットたちがマッチした散歩道を散策したり、関連施設の六甲山カンツリーハウス内にあるローズウォークでピーターラビットとバラの世界を楽しめるというものでした。 

また、各ショップにはピーターラビットグッズがたくさん販売され、プレゼントに応募できるキーワードを探しに参加できたり、ジマイマのたまごを探せクイズなど、随所に楽しめる要素が散りばめられていました。  

レストランでは、スペシャルグルメと題して、ピーターラビットガーデンカフェ自由が丘店とのスペシャルコラボメニューも提供されていました。ピーターラビットファンはもちろん、バラ好きな方やガーデン巡りが趣味な方にも楽しめるイベント内容でした。

17062402.jpg 
『こねこのトムのおはなし』のページが開かれたその横に、一場面が展開されていました。まるでおはなしの舞台となった英国湖水地方へ紛れ込んだみたいです。

17062403.jpg 
りすのナトキンが喜びそうな木の実を発見すると、すぐそばの屋根の上にナトキンがいました!

17062404.jpg 
ここでしか手に入らない限定グッズなど、ショップにはピーターラビットグッズがたくさん販売されていました。

17062405.jpg 
こちらは、六甲山カンツリーハウス内にある「バラの小径ローズウォーク」の入り口

17062406.jpg 
ローズウォーク内は90種、約2000本のバラが植えられ、バラの香りや色の変化を楽しみながら散策を楽しめました。所々にジマイマのたまごが隠されていて、クイズにチャレンジもしました。

17062407.jpg 
ローズウォークは6月10日にオープンしたのですが、ちょうど訪れた6月末はバラがあちらこちらで満開になっていて、キャラクターたちの可愛らしさがバラの美しさをより際立たせ、本当に素晴らしいバラ園でした。

17062410.jpg 
中でもこのクオリティの高さには感動しました。『りすのナトキンのおはなし』の場面、ブラウンじいさまの住むふくろう島へお土産の小魚を用意するため釣りをしたり、小えだのいかだに乗っている場面や、木の上にいるリスはふくろう島で取ってきた木の実を運んだりと、見事におはなしの場面が再現されていました。こんな素敵な場面がローズウォーク内に突然現れて狂喜乱舞し夢中で撮影しました。

17062411.jpg 
毎年英国フェアと題してピーターラビット楽しむイベントを開催してくださることだけでも作品を愛する気持ちを感じていましたが、イベントを実際に体験してみてより一層その気持ちを強くしました。これはぜひ夏の恒例イベントとして今後も盛り上げていただきたいと、一ファンとして思いました。

17062413.jpg 
そもそも六甲山という地で英国フェアが開催されるようになったのかという素朴な疑問に答えるかのように、毎年発行される「ピーターラビットと楽しむ六甲山英国フェア」のパンフレットに「英国生まれのピーターラビットと六甲山の物語」として記載されていました。

”英国人貿易商アーサー・H・グルームが六甲山をリゾートとして開発した20世紀はじめ、英国では『ピーターラビットのおはなし』が出版され、人気を博していました。・・・絵本の世界を想わせる、豊かな自然に囲まれた六甲ガーデンテラスに、今年も
ピーターラビットや仲間たちが登場します。”
六甲ガーデンテラス「ピーターラビットと楽しむ六甲山英国フェア」パンフレットより

17062409.jpg 
六甲ガーデンテラスで開催されていた「ピーターラビットのかくれんぼ」は、施設内にかくれんぼしているキーワードを見つけ、キーワードを書いて応募すると抽選で100名にプレゼントが当選するというもの。こちらはホルティのティギーおばさんの洗濯部屋で見つけたキーワード。

17062412.jpg 
六甲山カンツリーハウスで開催されていたクイズラリー「ジマイマのたまごをさがせ」は、ローズウォーク内にあるジマイマのたまごを見つけて、クイズに答えるというもの。


17062415.jpg 
全問正解のプレゼントは、オリジナルポストカードでした。

17062408.jpg このイベント限定のグッズは、六甲山英国フェアロゴ入りマスキングテープ2種類(ローズウォークVer.と、おはなしをめぐる散歩道Ver.)、ピーターラビット絆創膏、六甲山英国フェア2017オリジナル切手、ピーターラビットお菓子缶3種類、ピーターラビットキャロットジュース。他にもたくさんのピーターラビットグッズが販売されていました。

17062414.jpg 
ランチは、六甲ガーデンテラスのグラニットカフェで、ローストビーフランチ「マグレガーさんの野菜畑にて」をいただきました。季節のサラダ(にんじんドレッシング)、豆乳コーンスープ、英国風ローストビーフ、ラケルのパン、オレンジヨーグルトのゼリー(ピーターラビットクッキー添え)サラダにもローストビーフにもピーターが添えられていました。

以上、ピーターラビットと楽しむ六甲山英国フェアのレポートでした。来年もぜひ参加できたらいいなと思います。

開館11周年記念講演 ビアトリクス・ポター生誕150周年「ピーターラビット展」の裏話のレポート

ピーターラビットイベント&報告
05 /24 2017
大東文化大学ビアトリクス・ポター資料館が開館11周年を迎え、4月23日に記念講演が開催されました
17daito01.jpg

17daito02.jpg
講師は、「ピーターラビット展」の主催者である東映株式会社 事業推進部文化事業室の菅野(すがの)さんです。

昨年、渋谷Bunkamuraザ・ミュージアムを皮切りに全国巡回中の展覧会、ビアトリクス・ポター生誕150周年「ピーターラビット展」は、どのようにして日本で開催されるに至ったのか、企画、交渉、作品の管理、メディア戦略、開催する美術館への対応などなど、そのすべてにおいて辣腕を振る菅野さん。そんな菅野さんがこの展覧会の裏側を語るという内容でした。

まずは展覧会の特別協力者である「ナショナル・トラストのおはなし」から始まりました。「~のおはなし」とされたのは、もちろん『ピーターラビットのおはなし』に準えてのことと思います。

展示されている150点200件の作品は、英国最大の環境保護団体であり自然景観や歴史的建造物の保護運動をしている民間団体「ナショナル・トラスト」よりすべて借り受けたもので、ビアトリクス生誕150周年をお祝いして本国に次いで人気のある日本で開催することになりました。

まずは開催決定となるまでの道のりとして、貸し出し交渉のためオフシーズンである1月から2月にかけて、凍える寒さの湖水地方へ出掛け、ナショナル・トラストが保有するヒルトップ農場のヒルトップ・ハウスへと向かい、特別に寝室や客間を見せてもらいながらの交渉を行ったこと。

そしてホークスヘッドのビアトリクス・ポター・ギャラリーにも出かけ、保管されている作品をひとつ、ひとつ見せてもらいながら展示したいという思いを伝え交渉に望まれたそうです。

展示数を考えると、気の遠くなる作業ですね。何しろナショナル・トラストが所有するビアトリクスの作品数は、パンフレットに500点と記載されていますから。

菅野さんは、「ビアトリクスは、絵本作家というだけでなく、ファインアートの作家でもある」と色々な作品を見ながらそう思ったそうです。日本では絵本作家、それもピーターラビットだけが飛びぬけて有名ですが、実はそれだけではない部分にも着目し、そうした作品も展示が実現したのも、こうした地道な交渉の成果だったのですね。

作品展示が決定したら、次はナショナル・トラストが課している大変厳しい貸し出し条件について解説いただきました。

照明に関して、条件をクリアーするため実際の照明器具を英国に持ち込み確認していただくということまで行ったそうです。
というのも、水彩画は油彩画より光によって退色しやすいため、照度や照射時間の制限があり、作品に光が当たらないように工夫すると共に、でも見ていただく人には暗く感じないように演出で明るく見せられるようにしたこと。

それでも現地担当者による「照度計テスト」は毎回ひやひやものだそうです。テストは、積算照射量で色が変わる特別な試験紙「ブルーウール(The Blue Wool Scale)」が使われているという専門的なことも解説していただきました。

また個々の作品は、マット紙入りで日本に届いたため、それらを指定されたメープルの木材で額装しアクリルやテープの材質にも細かな指示があったそうです。

作品を展示するに当たり、こうした温度・湿度だけでなく照射量などなど、細かい気づかいに対応していただけるのは、美術館や博物館しかなく、会場の演出や、展示プランなど、それぞれの学芸員さんたちの力も借り、大掛かりな展覧会が開催の運びとなったこと。これが最初の「ナショナル・トラストのおはなし」でした。

次は「ディーン・フジオカさんのおはなし」でした。

こうした大掛かりな展覧会を開催する際、芸能人の方にオフィシャル・サポーターになっていただき、メディアを使って宣伝するということを行いますが、「ピーターラビット展」のオフィシャルサポーターにディーン・フジオカさんが就任していただいたこと、このことが菅野さんをはじめとして関係者のみなさんの更なるモチベーションアップにつながったそうです。

と言いますのも、美術館で開催する展覧会は、展覧会概要の記者会見の際に100名のプレスの方に来ていただければありがたいとされる中、ディーンさんが会見するという触れ込みが伝わった途端、200名以上のプレスの方が集まったとか。

通常は、美術専門誌などで宣伝される記事に関しても、ディーンさん効果で通常ならありえない女性週刊誌での特集記事が組まれたりと、この部分は菅野さんもこれはすごいことなんだということを伝えるべく、かなり力がこもったおはなしでした。

記者会見はもとより、英国ロケ同行、数々の取材同行など、ディーンさんと一緒にお仕事をたくさんこなされた菅野さんが、ディーンさんとのツーショット写真として唯一撮影されたものが、手を伸ばせば届きそうな距離の中も一歩身を引き、関係者として見守る背中越しに輝くディーンさんの笑顔の写真でした。

ツーショット写真と聞き、てっきり笑顔で並んで撮影された写真を想像しましたが、黒子に徹するプロ意識の高さを感じました。ディーンさんもきっとそんな菅野さんのお姿を微笑ましくご覧になられたことと勝手に想像します。お人柄って伝わりますものね。

菅野さんがオフィシャルサポーターがディーンさんで良かったと感じられたエピソードのひとつとして、ビアトリクス・ポターについての人物像や作品についてを、彼なりに消化し、彼の言葉としてあらゆるメディアに向け発信してくれたこと。こうしたことを可能にしたのも、ビアトリクス・ポターの魅力のひとつかなと私達ファンはそう思いました。


最後のおはなしは「ディーンじゃなくてごめんなさいのおはなし」でした。

「ピーターラビット展」の最初の開催地、渋谷Bunkamuraザ・ギャラリーは、ディーンさんも参加し華々しくセレモニーが開催されましたが、仙台のセレモニーで挨拶された大東文化大学河野教授の開口一番「ディーンじゃなくてごめんなさい」という言葉にびっくりされたエピソードが最後のおはなしです。これには思わず失笑しました。

セレモニーの場所というのは、大変にそれはそれは緊張する方々に囲まれる中でしたから、その驚きの衝撃はすごかったそうです。

「ピーターラビット展」は、河野先生がいらっしゃらなければ成り立たないほどの多岐にわたってのご活躍でした。図録作成に始まり、「ここが見どころピーターラビット展」の記念講演会、メディアへの取材対応などなど。

そんな河野先生がビアトリクスの魅力を語りだしたらとまらず、「実はビアトリクスはドアノッカーマニアだった」というエピソードを聞き、河野先生が同じドアノッカーを探し出し収集されていることから、それらをお借りし「ピーターラビット展」のヒルトップハウスを再現したドアに取り付け展示されていることなど、まさしく裏話をお聞きすることができました。

次回の「ピーターラビット展」は、7月15日から9月3日まで、八王子にある東京富士美術館にて開催され、そして泣いても笑っても日本ではこれで最後の最終地、9月16日~11月5日まで、名古屋市博物館で開催した後、すべての作品は英国に帰ります。

英国湖水地方ホークスヘッドにあるビアトリクス・ポター・ギャラリーをご覧になられた方はお分かりいただけると思いますが、ナショナル・トラストが所蔵するビアトリクスの作品を一度に展示するのはスペース的に不可能で、毎年テーマを決め少しずつ展示されています。

「ピーターラビット展」はそのことを考えただけでも大変貴重な機会で、また研究者の方でもまず見ることができないパノラマ絵本の草稿「こわいわるいうさぎのおはなし」と、未刊で終わった草稿「ずるいねこのおはなし」の作品が、2m弱のスペースを割き、見開いた状態で展示されています。恐らくですが、このような状態で展示するのはこれが最初で最後の機会になるかもしれないとのお話でした。よく目に焼き付けておかなければいけない作品のひとつです。

たくさんの魅力を詰め込み、これほどの大きな仕事を成し遂げ、それでいて仕事にはストイックで、私達ファンには優しく接してくださいます。あっという間の1時間、とても楽しい講演でした。ありがとうございました。

mokuroku.jpg
ビアトリクス・ポター生誕150周年「ピーターラビット展」公式図録 会場限定発売 2000円

daito101.jpg
大東文化大学「Beatrix Potter Collection」文献目録2017 記念講演で配布された資料

ronbun02.jpg
大東文化大学ビアトリクス・ポター資料館開館10周年記念論文集 記念講演で配布された論文集

京王プラザホテル ピーターラビットスイーツパーティ

ピーターラビットイベント&報告
04 /21 2017
4月1日から6月30日まで、京王プラザホテル東京(東京都新宿区)にて、ピーターラビットのホテルカーニバルを開催しています。こちらはホテル内で配布されている宣伝チラシの表紙画像。

17040702.jpg

2階スーパーブッフェ「グラスコート」前に設けられたフォトスポット。
17040701.jpg

フレンチ&イタリアン「デュオ・フルシェット」は、「3姉妹の可愛いナイトピクニック」のコースメニューを提供。

スカイラウンジ「オーロラ」は、「チュウチュウおくさんのティータイム」でアフタヌーンティーが楽しめます。

約30種以上のスイーツが楽しめる「ピーターラビットのスイーツパーティ」は、オールディダイニングの「樹林」にて毎日午後3時から5時半まで開催されています。


スイーツパーティは午後3時からスタートなので、ランチ抜きで行ってきました。
30種類以上のスイーツが並ぶ中、軽食もありましたので「セシリ・パセリの作ったビールで豚肉を煮込んじゃいました」やパスタ、セシリ・パセリときたら「アプリイ・ダプリイのジャムタルト」で、おへそと背中がくっつきそうだったお腹を整えました。

17040704.jpg

お腹が落ち着いたところで、大きなお皿いっぱい、ちっちゃくて可愛いスイーツを並べて、目でたっぷり楽しんだ後、お友達とシェアしながらいただきました。
17040703.jpg

ピーターがデフォルメされたチョコレートケーキと、ホワイトチョコレートプレートは、大人気なので出待ちしなくちゃいけません(笑)
ピーターのピックがささったケーキも大人気で、すぐになくなります(笑)

午後3時半から5時半まで、あっという間でした。テーブルとスイーツの間を何往復したことか。「ピーター、まだ?」って言いながらね。何故こんなに可愛いって思ってしまうんでしょうね。うふふ。

17040705.jpg

甘いものを食べた後は、「ベンジャミンバニーのオニオンスープ」でひと休み。ホッとする美味しさで、また甘いスイーツに手が伸びますよ。

スイーツパーティを開催している「樹林」内のフォトスポット
17040706.jpg

フレンチ&イタリアン「デュオ フルシェット」前のフォトスポット
17040707.jpg


「樹林」で開催しているスイーツパーティは、4月のいちご畑の冒険から5月はうさぎの森のチェリー畑となり、チェリーのスイーツ盛りだくさんだそうです。女子会で盛り上がること間違いなしです。ぜひお試しあれ~。

土・日は予約した方が良いと思います。平日も午後3時スタートに合わせて行けば予約なしでも入れると思います。お店の方に電話で問い合わせもできるようですのでお確かめくださいね。

京王プラザホテル ピーターラビットのホテルカーニバル ← 公式サイトでご確認ください。

P. S.
レジで精算している時、ピーターの会の集まりだったことを告げましたところ、「お客様にピーターのボックスはどこで販売されているか質問されました」という驚きのお話を聞きました。
そう、クッキー入れのボックスを作成して持参していたのですが、それをお披露目していたのです。それをご覧になられた方がいらして、お店の方が質問を受けたということだったようです。
17040708.jpg
中にフェルトクッションを入れ、割れやすいクッキーを入れるのにと思って作成したボックスです。もっと上手に作れるよう練習を積まなくちゃ。

大東文化大学ビアトリクス・ポター資料館クリスマス特別企画展のレポート完成

ピーターラビットイベント&報告
01 /15 2016
大東文化大学ビアトリクス・ポター資料館に行ってきました。

11月末から1カ月間、毎年恒例のクリスマス特別企画展が開催されていました。

今回の企画展のテーマは「ビアトリクス・ポターとマザーグースの世界~『グロースターの仕たて屋』を中心に~」で、通常展示とは別に、企画展が開催されている期間は資料閲覧室に企画展の内容を収めた特別パネルが展示されました。

クリスマス特別企画展は、毎回色々なテーマで企画されているのですが、「ビアトリクス・ポターとマザーグースの世界」と題した企画は、今回が3回目となりました。というのもビアトリクス・ポター作品はマザーグースが多く登場しますし、それらを調べることで、さらに興味深く、面白く作品を読むことができるからだと思います。

また『グロースターの仕たて屋』に登場するマザーグースだけを解説した企画展は、世界的に大変珍しく、貴重な展示となりました。

マザーグース(英国ではナーサリー・ライム、日本ではわらべうた)は、とにかく難しいけど面白い!

単語の持つ意味ではなく、発音・リズムに重視し、韻を踏ませ、軽やかなリズムを生み出すかということに重きを置いていると思います。

日本語に訳すとへんてこりんな意味になることが多いけれど、いや、むしろ日本語に訳さずそのまま読んだ方がいいかもと思ったりもします。

今回の企画展は、1903年にフレデリィック・ウォーン社より出版された商業版に掲載されたマザーグース9編を中心でした。

9編も登場していたとはと驚くなかれ、1902年12月に500部自費出版された、私家版『グロースターの仕たて屋』は、28編ものマザーグースが登場するのです。

それらは、このおはなしにふさわしいキーワード「ネコ」「ネズミ」「仕たて屋」「クリスマス」など含まれていました。まずはしっかりとしたストーリーがあり、そしておはなしをより魅力的にする挿絵があり、さらにおはなしにリズムと音楽を含ませ、より一層楽しめるように計算されていたのかもしれないですね。

ビアトリクス・ポターは、後に「『グロースターの仕たて屋」が一番お気に入りのおはなしと」述べたのも、読者の一人として、今回の企画展にふれてより一層感じました。

毎回のことですが、レポート作成するのが遅くなり申し訳ありません。よろしかったらレポートもご覧になってくださいね。

「ラピータの部屋」コンテンツ
レポート「大東文化大学ビアトリクス・ポター資料館 開館9周年企画 クリスマス特別企画展「ビアトリクス・ポターとマザーグースの世界~『グロースターの仕たて屋』を中心に~」

埼玉県こども動物自然公園内のピーターラビット・スーベニア・ショップが閉店

ピーターラビットイベント&報告
12 /26 2015
埼玉県こども動物自然公園内にあったピーターラビット・スーベニア・ショップが12月13日に閉店しました。ピーターラビットグッズの専門店として9年間、本当にお疲れ様でした。ショップの外観だけでなく、ファンを飽きさせないショーウィンドウディスプレイなど、楽しいことが次々と思い出深いショップでした。

15dai03.jpg
ピーターラビット・スーベニア・ショップ

15dai04.jpg
寝耳に水の閉店ニュースを受け、閉店3日前に訪問することができました。

15dai05.jpg
15dai06.jpg
店内はビアトリクス・ポター生誕140周年記念プレートや3Dクリスタルアートなどの記念限定も販売されていました。

店内すべて30%オフとのことで、シールやレターセットなど普段使いのものをたくさん購入しました。

埼玉県こども動物自然公園の公式ホームページによりますと、ピーターラビットスーベニアショップは、もりカフェ(仮名称)として来年3月にリニューアルオープンするそうです。ピーターラビットグッズも継続して購入できるとのことでひとまず安心です。

続いて、同じ敷地内にある大東文化大学ビアトリクス・ポター資料館へ(つづく)

ラピータ

ピーターラビットの生みの親ビアトリクス・ポターの愛好家で、作品について、開催されたピーターラビットのイベントやグッズ紹介、ピーターラビットの故郷英国について紹介するホームページ「ラピータの部屋」のブログです。
ブログに掲載している写真はすべて転載禁止です。