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ラピータの部屋「今日のひとこと」


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ウォルター・クレインの本の仕事展

2017.05.17(21:43) 2147

千葉市立美術館で開催されている「絵本はここから始まった ウォルター・クレインの本の仕事」展に行ってきました。
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ウォルター・クレインの名前をメインとして掲げる展覧会が過去日本で開催されたことは恐らくなく、私がその名前を知ったのもビアトリクス研究を始めたことがきっかけです。

展覧会のタイトルにもある通り、挿絵に文字が挿入されるいわゆる「絵本」を最初に誕生させた人物で、まさしくここから絵本の歴史は始まったという大規模展覧会が千葉で開催されました。名だたる大学所蔵の書籍から個人所蔵まで出品されたのは191点。大変見応えある内容でした。

展示入り口から最初のフロアは、1863年クレインが画期的な印刷技術である多色刷木口木版を開発したエドマンド・エヴァンズに出会い、クレインの初期作品である全ページカラー印刷のトイ・ブックシリーズが展示されていました。この頃のカラー印刷は、原色使いでどぎつい印象もありましたが、時代が進むにつれ色が変化していく様が見てとれます。
これらトイ・ブックシリーズは、アルファベット絵本や数・算数の絵本やナーサリーライム(マザーグース)の絵本やグリム童話、誰もが夢中になるものばかりです。
「シンデレラ」は背景に描かれている食器やタイルが、ウェッジウッドブルーで描かれているのも時代を反映してい興味深いです。

クレインは1867年に浮世絵と出会い、日本の色見本を参考に黒を縁取り線として表現し、新たなる境地を切り開くのですが、展示された作品「美女と野獣」で美女が扇を手にしていたり、他にも日本を感じさせるアイテムが作品に描かれていてこれまた興味深いです。

クレインが1876年「眠り姫」を最後にトイ・ブックの仕事を辞め、次にエヴァンズが手を組んだのがランドルフ・コールデコットです。1878年、最初に出版したトイ・ブックが「ジャックが建てた家」「ジョン・キルピンの滑稽な出来事」の2冊で、シリーズ16冊が刊行されました。

同じくエヴァンズの目にとまったのが、ケイト・グリーナウェイ。これで主役は揃いましたね。19世紀半ば3大絵本作家と呼ばれたのが、クレイン、コールデコット、グリーナウェイです。

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ビアトリクス・ポターはこの3人の作品から多大な影響を受けたのは間違いなく、詳細については昨年出版された著書「ピーターラビットの世界へ」河野芳英(著)の第4章ビアトリクスが好きだったもの、を読んでいただければと思いますが、ビアトリクスは特にコールデコットのトイ・ブックがお気に入りでした。その中でも一番のお気に入りだった「かえるくん、恋をさがしに」も展示されています。

この展覧会は、名人印刷屋のエヴァンスに見いだされたコールデコット、グリーナウェイの作品も展示されていますので、ファンにとってはたまりません。

またグリーナウェイの作品で、1883年に発行され1897年まで続いた当時大流行していたアルマナック(暦)があり、ビアトリクスも出版社に「グリーナウェイのようなアルマナックを作ってはどうか」と勧められ1929年を出版しました。ビアトリクスがアルマナックを作るきっかけとなったグリーナウェイのアルマナックが1883年から87年までの5年分が展示されています。

クレインの代表作は、トイ・ブック・シリーズ以外に「幼子」3部作があります。
これは、ナーサリーライムの楽譜集で、楽譜の周りに施されたデザインがナーサリーライムをイメージさせるデザインとなる凝りようで、挿絵からデザインの細部に至るまでクレインが手掛け、第1作「幼子のオペラ」がベストセラーとなったことから、続けて第2作「幼子の花束」、第3作の「幼子のイソップ」はイソップ寓話を描いたものが美しい挿絵と共にこれまた脚光を浴びました。

ビアトリクスが幼い頃描いたスケッチに、クレインの「幼子のオペラ」に収録されている「ボンド婦人」の挿絵を真似て描いたものが残されています。

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こちらがクレインの「幼子のオペラ」にある「ボンド婦人」の楽譜と挿絵

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こちらがビアトリクスが10歳の頃クレインの「ボンド婦人」を模写したもので、湖面のアヒルが未完成のまま終わっています。

クレインの作品に戻って、大変美しい挿絵で目を引いたのが、「フローラの饗宴」で、美しい花と妖精が描かれていて、全ページ順番に見られるよう大きなスペースを割き展示されていました。

またクレインとジャポニズムというテーマの展示もあり、クレインが魅せられた浮世絵の作品展示もあり、見どころ満載の展示内容でした。

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これら展示のすべてを網羅し解説付きの図録。絵本はここから始まったという素晴らしい展示書籍の数々、大変素晴らしいものを見せていただきました。絵本に興味ある方、またビアトリクスが大好きな方もきっと楽しめると思います。展示は、5月28日まで。

詳細は千葉市美術館のウェブページでご覧ください。
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