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ラピータの部屋「今日のひとこと」

ピーターラビットの生みの親ビアトリクス・ポターの愛好家で、作品について、開催されたピーターラビットのイベントやグッズ紹介、ピーターラビットの故郷英国について紹介するホームページ「ラピータの部屋」のブログです。

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開館11周年記念講演 ビアトリクス・ポター生誕150周年「ピーターラビット展」の裏話のレポート 

大東文化大学ビアトリクス・ポター資料館が開館11周年を迎え、4月23日に記念講演が開催されました
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講師は、「ピーターラビット展」の主催者である東映株式会社 事業推進部文化事業室の菅野(すがの)さんです。

昨年、渋谷Bunkamuraザ・ミュージアムを皮切りに全国巡回中の展覧会、ビアトリクス・ポター生誕150周年「ピーターラビット展」は、どのようにして日本で開催されるに至ったのか、企画、交渉、作品の管理、メディア戦略、開催する美術館への対応などなど、そのすべてにおいて辣腕を振る菅野さん。そんな菅野さんがこの展覧会の裏側を語るという内容でした。

まずは展覧会の特別協力者である「ナショナル・トラストのおはなし」から始まりました。「~のおはなし」とされたのは、もちろん『ピーターラビットのおはなし』に準えてのことと思います。

展示されている150点200件の作品は、英国最大の環境保護団体であり自然景観や歴史的建造物の保護運動をしている民間団体「ナショナル・トラスト」よりすべて借り受けたもので、ビアトリクス生誕150周年をお祝いして本国に次いで人気のある日本で開催することになりました。

まずは開催決定となるまでの道のりとして、貸し出し交渉のためオフシーズンである1月から2月にかけて、凍える寒さの湖水地方へ出掛け、ナショナル・トラストが保有するヒルトップ農場のヒルトップ・ハウスへと向かい、特別に寝室や客間を見せてもらいながらの交渉を行ったこと。

そしてホークスヘッドのビアトリクス・ポター・ギャラリーにも出かけ、保管されている作品をひとつ、ひとつ見せてもらいながら展示したいという思いを伝え交渉に望まれたそうです。

展示数を考えると、気の遠くなる作業ですね。何しろナショナル・トラストが所有するビアトリクスの作品数は、パンフレットに500点と記載されていますから。

菅野さんは、「ビアトリクスは、絵本作家というだけでなく、ファインアートの作家でもある」と色々な作品を見ながらそう思ったそうです。日本では絵本作家、それもピーターラビットだけが飛びぬけて有名ですが、実はそれだけではない部分にも着目し、そうした作品も展示が実現したのも、こうした地道な交渉の成果だったのですね。

作品展示が決定したら、次はナショナル・トラストが課している大変厳しい貸し出し条件について解説いただきました。

照明に関して、条件をクリアーするため実際の照明器具を英国に持ち込み確認していただくということまで行ったそうです。
というのも、水彩画は油彩画より光によって退色しやすいため、照度や照射時間の制限があり、作品に光が当たらないように工夫すると共に、でも見ていただく人には暗く感じないように演出で明るく見せられるようにしたこと。

それでも現地担当者による「照度計テスト」は毎回ひやひやものだそうです。テストは、積算照射量で色が変わる特別な試験紙「ブルーウール(The Blue Wool Scale)」が使われているという専門的なことも解説していただきました。

また個々の作品は、マット紙入りで日本に届いたため、それらを指定されたメープルの木材で額装しアクリルやテープの材質にも細かな指示があったそうです。

作品を展示するに当たり、こうした温度・湿度だけでなく照射量などなど、細かい気づかいに対応していただけるのは、美術館や博物館しかなく、会場の演出や、展示プランなど、それぞれの学芸員さんたちの力も借り、大掛かりな展覧会が開催の運びとなったこと。これが最初の「ナショナル・トラストのおはなし」でした。

次は「ディーン・フジオカさんのおはなし」でした。

こうした大掛かりな展覧会を開催する際、芸能人の方にオフィシャル・サポーターになっていただき、メディアを使って宣伝するということを行いますが、「ピーターラビット展」のオフィシャルサポーターにディーン・フジオカさんが就任していただいたこと、このことが菅野さんをはじめとして関係者のみなさんの更なるモチベーションアップにつながったそうです。

と言いますのも、美術館で開催する展覧会は、展覧会概要の記者会見の際に100名のプレスの方に来ていただければありがたいとされる中、ディーンさんが会見するという触れ込みが伝わった途端、200名以上のプレスの方が集まったとか。

通常は、美術専門誌などで宣伝される記事に関しても、ディーンさん効果で通常ならありえない女性週刊誌での特集記事が組まれたりと、この部分は菅野さんもこれはすごいことなんだということを伝えるべく、かなり力がこもったおはなしでした。

記者会見はもとより、英国ロケ同行、数々の取材同行など、ディーンさんと一緒にお仕事をたくさんこなされた菅野さんが、ディーンさんとのツーショット写真として唯一撮影されたものが、手を伸ばせば届きそうな距離の中も一歩身を引き、関係者として見守る背中越しに輝くディーンさんの笑顔の写真でした。

ツーショット写真と聞き、てっきり笑顔で並んで撮影された写真を想像しましたが、黒子に徹するプロ意識の高さを感じました。ディーンさんもきっとそんな菅野さんのお姿を微笑ましくご覧になられたことと勝手に想像します。お人柄って伝わりますものね。

菅野さんがオフィシャルサポーターがディーンさんで良かったと感じられたエピソードのひとつとして、ビアトリクス・ポターについての人物像や作品についてを、彼なりに消化し、彼の言葉としてあらゆるメディアに向け発信してくれたこと。こうしたことを可能にしたのも、ビアトリクス・ポターの魅力のひとつかなと私達ファンはそう思いました。


最後のおはなしは「ディーンじゃなくてごめんなさいのおはなし」でした。

「ピーターラビット展」の最初の開催地、渋谷Bunkamuraザ・ギャラリーは、ディーンさんも参加し華々しくセレモニーが開催されましたが、仙台のセレモニーで挨拶された大東文化大学河野教授の開口一番「ディーンじゃなくてごめんなさい」という言葉にびっくりされたエピソードが最後のおはなしです。これには思わず失笑しました。

セレモニーの場所というのは、大変にそれはそれは緊張する方々に囲まれる中でしたから、その驚きの衝撃はすごかったそうです。

「ピーターラビット展」は、河野先生がいらっしゃらなければ成り立たないほどの多岐にわたってのご活躍でした。図録作成に始まり、「ここが見どころピーターラビット展」の記念講演会、メディアへの取材対応などなど。

そんな河野先生がビアトリクスの魅力を語りだしたらとまらず、「実はビアトリクスはドアノッカーマニアだった」というエピソードを聞き、河野先生が同じドアノッカーを探し出し収集されていることから、それらをお借りし「ピーターラビット展」のヒルトップハウスを再現したドアに取り付け展示されていることなど、まさしく裏話をお聞きすることができました。

次回の「ピーターラビット展」は、7月15日から9月3日まで、八王子にある東京富士美術館にて開催され、そして泣いても笑っても日本ではこれで最後の最終地、9月16日~11月5日まで、名古屋市博物館で開催した後、すべての作品は英国に帰ります。

英国湖水地方ホークスヘッドにあるビアトリクス・ポター・ギャラリーをご覧になられた方はお分かりいただけると思いますが、ナショナル・トラストが所蔵するビアトリクスの作品を一度に展示するのはスペース的に不可能で、毎年テーマを決め少しずつ展示されています。

「ピーターラビット展」はそのことを考えただけでも大変貴重な機会で、また研究者の方でもまず見ることができないパノラマ絵本の草稿「こわいわるいうさぎのおはなし」と、未刊で終わった草稿「ずるいねこのおはなし」の作品が、2m弱のスペースを割き、見開いた状態で展示されています。恐らくですが、このような状態で展示するのはこれが最初で最後の機会になるかもしれないとのお話でした。よく目に焼き付けておかなければいけない作品のひとつです。

たくさんの魅力を詰め込み、これほどの大きな仕事を成し遂げ、それでいて仕事にはストイックで、私達ファンには優しく接してくださいます。あっという間の1時間、とても楽しい講演でした。ありがとうございました。

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ビアトリクス・ポター生誕150周年「ピーターラビット展」公式図録 会場限定発売 2000円

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大東文化大学「Beatrix Potter Collection」文献目録2017 記念講演で配布された資料

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大東文化大学ビアトリクス・ポター資料館開館10周年記念論文集 記念講演で配布された論文集
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Posted on 2017/05/24 Wed. 13:24 [edit]

category: ピーターラビットイベント&報告

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