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ヒルトップ農場へ その2

英国
08 /02 2018
ビアトリクス・ポターの聖地を巡る旅は、いよいよヒルトップ農場へと足を踏み入れることができた。

見学できるのは、ヒルトップハウスと、ガーデン、ショップの3カ所。農場部分は柵で仕切られ立ち入り禁止だが、現在も羊などを飼育し農場を経営している。ここで飼育されている羊は、ビアトリクスが種の存続に尽力したハードウィック種と思われがちだが、ハードウィック種は高地向きの品種の為ここではあまり見かけない。

この場所は例え初めて訪れてもどこか懐かしく感じる場所に違いない。何故なら、そこかしこに絵本で見慣れた背景が見られるから。
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まずは小径から。ヒルトップハウスまでのアプローチとなる小径は、『こぶたのピグリン・ブランドのおはなし』に登場する。

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エントランスポーチは、『こねこのトムのおはなし』や、
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クリスマスカードデザインとしても描かれた。

ヒルトップハウスは、17世紀に建てられたファームハウスで、天井が低くく、それぞれの部屋はそれほど広くない。玄関ホールは玄関扉を入ったすぐの部屋で、湖水地方に住む農夫は「ファイアハウス(firehouse)」とか「ハウスプレース(Houseplace)」と呼ぶそうだが、ビアトリクスはここを「玄関ホール(The Entrance Hall)」と呼んでいた。

玄関ホールの灯りは、玄関扉の横にある大きな出窓から差し込む日差しだけで、夜はキャンドルライトの生活。といっても、多忙を極めるビアトリクスがヒルトップハウスで過ごせるのは1年の内でも数か月ほど。結婚後は住居をカースルコテージに移した為、灯りに関してはそれほど不自由はしなかったかもしれない。

公開されているヒルトップハウスは、窓からの日差しと間接照明替わりにテーブルランプが何カ所かに設置されている。しかし部屋の暗さは相当なもので、カメラの撮影が許可されたものの、上手に撮影するのは難しかった。
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ビアトリクスはゼラニウムを植木鉢で育て、霜が降りる季節が訪れる前に部屋の中へ入れていた。ゼラニウムの鉢は、『こねこのトムのおはなし』で玄関扉横の出窓に描かれ、『ピーターラビットのおはなし』でマグレガーさんの畑にある鉢を3つもひっくり返し、そして三度『フロプシーのこどもたち』に描かれた。

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『パイがふたつあったおはなし』で、リビーの玄関扉に描かれたドアノッカーは、玄関ホールの暖炉のある壁の向かって左側の扉にかけられているデーモンキャットのドアノッカー。これと同じものを河野先生が探し当て、概観がヒルトップハウスにそっくりなビアトリクス・ポター資料館の調度品も本物に着々と近づいている。

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玄関ホールの暖炉は、『ひげのサムエルのおはなし』でこねこのトムが隠れる場所。

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暖炉の前の敷物は、布の端切れを何枚も重ね合わせたラグ(Rag Rug)で、湖水地方に昔から伝わる伝統的な敷物。暖炉の上に並べられた真ちゅう製の馬具の装飾金具ホースブラス(Horse Brass)は魔除けのような意味合いもあり、英国ではこのように暖炉に並べて飾ったりした。

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『ひげのサムエルのおはなし』でアナ・マライアがねり粉を失敬している場面、タビタお母さんは「そのねずみ、どっちへいった、モペット?」と聞きますが、モペットは怖くてどっちに逃げたか見ていませんでした。

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アナ・マライアが走り去った先にネズミ穴(mouse hole)を発見!
ビアトリクスがヒルトップ農場を購入した際の最初の困った問題は、ひげのサムエルやアナ・マライアたちが厚い壁の隙間をすり抜け、煙突をかけのぼり、床板の下を走るなどということが起こり、ビアトリクスは「ネズミが96匹いた」とカウントするほどだった。

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ビアトリクスの父、ルパートがデザインした鳥や動物の図案が描かれた絵皿。この絵皿の内、6枚が日本にやってきて、1年以上かけて「ピーターラビット展」で展示されていた。ヒルトップハウスに展示されていたものが、この場を離れることなど有り得ないのに奇跡が起きた。こうして再び全部揃った状態で見ることができるなんて原画展での感動がよみがえる。

ヒルトップハウスの玄関ホールに足を踏み入れただけなのに、そこかしこに広がる物語の数々。続いては玄関ホールの隣の部屋、応接間へ。この続きは次のブログにて。
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ラピータ

ピーターラビットの生みの親ビアトリクス・ポターの愛好家で、作品について、開催されたピーターラビットのイベントやグッズ紹介、ピーターラビットの故郷英国について紹介するホームページ「ラピータの部屋」のブログです。
ブログに掲載している写真はすべて転載禁止です。

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