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英国旅行記2018年 湖水地方 ヒルトップ農場へ その11

英国
06 /11 2019
英国旅行記の中でも、日本一詳しくまとめた「ヒルトップ農場」についての記事、今回が最終回です。日本一なんて大層なことを書きましたが、内容はマニアック過ぎますし、更新頻度は遅いですし、読者の皆さまにおかれましては、きっと呆れていらっしゃることと思います。(^^;

前回書いた記事から2カ月以上経過したので、少しだけ振り返ります。私達は「ヒルトップ農場」がオープンする30分前の9時30分に到着し、まずはチケット売り場へと向かいました。チケット売り場は、9時50分頃にオープンし、朝一番の10時に入場できるチケットを購入することができました。

ヒルトップ農場内の「ガーデン」と「ショップ」は、チケット無しで入場可能ですが、「ヒルトップハウス」はチケット売り場で時間指定チケットを購入します。施設保護のため、入場できる人数が決められていて、混みあった時間帯になると入場できるまで待つことも予想されます。

私達は、ヒルトップ農場を含むニアソーリー&モス・エクルス湖の見学も予定していたので、ランチの時間を含め3時間30分ニアソーリーに滞在しました。

さて、ショップは、ニアソーリーのメイン道路に面した入口から入ってすぐの建物にあります。ヒルトップハウスへは、この建物の脇を通り過ぎ、お花畑の小道を進みます。
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ヒルトップ農場のショップ外観。小さな建物なので、覗きこまなければ通り過ぎてしまうかも。
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これまでのグッズに見られなかったような「ヒルトップ」のロゴ入りや、ヒルトップハウスの外観が描かれたグッズ(ノート、鉛筆、ボールペン、帽子、木製ポストカード、マグカップ、ティータオル)などがありました。
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ビアトリクス・ポター・クラシックキッチンウェア(トレイ、ナプキン、カップ&ソーサー、マグセット、ミルクジャグ、ティータオル、オーブングローブ、エプロン、ハンドタオル)
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ボーダーファインのフィギュア
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ヒルトップショップ限定フィギュア「こねこのトムの木戸」25ポンド(Hill Top Exclusive Figurines)
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『こねこのトムのおはなし』に描かれた木戸。この木戸をモチーフにしたのが、ヒルトップショップ限定フィギュア「こねこのトムの木戸」(写真上)。
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ビアトリクスは、正面入り口(現在ショップのある方)ではなく、木戸の方がヒルトップハウスにより近いため、こちらを利用していました。写真は木戸の内側より眺めた景色。木戸の真正面に見える白い壁の屋敷は、結婚後移り住んだカースルコテージです。

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ショップの話に戻りますが、先程のヒルトップショップ限定フィギュアは、他にも「ひげのサムエル」がありました。2019年は「あひるのジマイマ」が発売になっているようです。
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『まちねずみジョニーのおはなし』と、『アプリイ・ダプリイのわらべうた』の出版100周年記念ボックス。金の縁取りがついた豪華装丁本と、革の栞、解説書がついたレザーケース入り。100部限定、各125ポンド
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ポストカードはここで購入し、グロースター大聖堂前のポストに投函しました。
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グリーティングカード
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GUND社のぬいぐるみ
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缶入り紅茶ティーバッグ
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書籍
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ハンドペイントの円盤ステンドグラス
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エコバッグ
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ヒルトップショップオリジナル刺繍キット
ナショナルトラストショップでしか購入できない刺繍キット。ビアトリクス・ポター協会のジャーナル&ニュースレターNo.123号で、このキットを制作した作者の記事が掲載され、友人がひと目で気に入り欲しいと念願していもの。キャラクターだけでなく、挿絵に描かれたそのもの背景が図案化されているところがお気に入りのようでした。
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図案が細かくて、画像では分かりづらいですが、上の段の右端はヒルトップハウスの全景で、同じく上の段の左端は庭のお花畑の小道とヒルトップハウス(写真画像)が図案化された刺繍キット(各18ポンド)です。2012年制作されたこのキットは、発売当初5種類だったものが、現在は8種類に増えていました。
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日本語版)「ヒルトップガイドブック」(ナショナルトラストのガイドブック出版部制作 2016年版)ヒルトップハウスの構造、歴史、各部屋にある調度品などの説明や、丹精こめて励んだ庭づくりのことなど紹介。このガイドブックがあれば、豆知識がたくさん増えます。私のお勧めです。
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日本語版)「ビアトリクス・ポターの湖水地方」(ナショナルトラストのガイドブック出版部制作 2016年版)ビアトリクスが、自然保護活動に打ち込んだ数々の実績をまとめたもの。

小さなショップですが、心躍る楽しさが詰まってます。またカウンターには、宝物部屋にあったミニチュアブロンズフィギュアも販売されています。

この後、全員集合したところで、案内を買って出てくださった河野先生と一緒にニアソーリーより歩いて約30分のところにある「モス・エクルス湖」へ行きました。この続きは次のブログにて。

英国旅行記2018年 湖水地方 ヒルトップ農場へ その10

英国
04 /09 2019
英国旅行記の続き、ヒルトップ農場へ朝一番で入場し、ヒルトップハウスを見学した後、まずは前回の英国旅行記のブログで、ヒルトップ農場の道路に面した入口から、ヒルトップハウスまでのアプローチに広がる「コテージ・ガーデン」のお花畑を紹介しました。

続いて紹介するのは、家庭菜園の部分です。家庭菜園は、ヒルトップハウスの入口正面にアイアンゲートのある石垣で区切られた真四角のエリアです。
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こちらは以前の家庭菜園エリアにかかる緑色のアイアンゲート。
私が以前ヒルトップ農場を訪れた際は、ヒルトップハウスが入場できる日は、目の前の菜園の中には入ることができず、ヒルトップハウスがクローズの日のみ、菜園に入場可能だった。そのため、目の前のアイアンゲートは閉じられ、菜園内から撮影は不可でした。
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こちらは昨年訪れたヒルトップ農場の家庭菜園エリア。人が立っているところがゲートのある入口で、緑色のアイアンゲートが開かれている。
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石垣の下に生えているハゴロモグサとシダは、自由に生えるがまま繁っているそう。

オープンになった家庭菜園エリアは、ヒルトップハウス入場待ちの方や、私達のように見学を終えた方々が、途切れることなく出たり入ったり。
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ビアトリクスが『あひるのジマイマのおはなし』を出版した頃は、ここをアヒルたちが出たり入ったりしていたことでしょう。
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この挿絵にも描かれた石垣に設置されている白い箱はミツバチの巣箱で、英国では雨や風を防ぐ実用的な方法として、石垣に巣箱を設置するように穴があいている。これらを「Bee-Bole」と言い、湖水地方では特に多く見られるものです。ビアトリクスは、ミツバチの群れを見つけ、ミツバチを捕まえる「Skep」という、これまた伝統的なワラで出来た丸籠を借り、ミツバチの群れの上に置き、巣箱へと誘導します。また、購入した巣箱の修理が必要だったことなど、1906年7月の手紙に書かれていました。
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『あひるのジマイマのおはなし』が出版された2年前に設置された巣箱が、こうしておはなしに描かれ、家庭菜園エリアでそのままの姿で見ることができる。また巣箱の手前は、ジマイマが卵を隠したルバーブが大きな葉をつけています。もちろん私もジマイマの卵を探したが見つからなかった。ジマイマは上手に隠すことができたのでしょう。
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こちらは西洋ネギ(ボロネギ)
家庭菜園エリアは、ルバーブの他に、西洋ネギ(ボロネギ)、エンドウマメ、サヤインゲン、キャベツ、レタス、ジャガイモ、ニンジン、ラディッシュなど植えられている。
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サヤインゲンは、木の枝で支柱を作り、地面の杭と支えの間に麻紐のロープをかけ、そこにツルをはわせていた。
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こちらは家庭菜園エリアのもうひとつの出入口。前回訪れた際も、この出入口は開いていたものの、この先には進めなかった。
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次のエリアは農場エリア。ここから先は、高さ150㎝ぐらいの石垣があり、プライベートで立入禁止となっている。この先は、1906年に建て増しされた建物の戸口のところに、『パイがふたつあったおはなし』に描かれた、おおよそ100年以上前の井戸があります。
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ハンドルの位置が逆になっていますが、形状はほぼ一緒。『パイがふたつあったおはなし』より
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その先にある小屋は、『あひるのジマイマのおはなし』で、小屋内の様子(牛小屋の仕切りや手押し車など)が描かれ、さらにケップたちに助けられ戻ってくる場面で、この小屋の農場側より見た景色が描かれました。
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私達は、ジマイマ目線ではなく、ヒルトップハウス側からこの小屋を見ることができます。
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最後は果樹園エリア。ヒルトップ農場への入場者数が増えたことにより、入り口より続くお花畑のエリアのダメージが大きくなり、人の行き来をスムーズに行えるようにあらたに設けられた小道の格子垣の向こう側が果樹園エリア。
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『あひるのジマイマのおはなし』より、ジマイマが庭からアヒルの丸焼きに使用するハーブ類とタマネギを探している場面で、背景に格子垣とそこにはわせているツルバラを描いている。
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この格子垣の向こう側に広がるのは、囲いのあるパドックと呼ばれる牧草地で、そこにブラムリー(料理用のリンゴ)やダムソンプラム、洋梨などの果樹が植えられています。
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こちらはパドックにある古木ブラムリー

ヒルトップ農場の4つの異なるエリア、最初の小道の両側に広がるお花畑エリア、ヒルトップハウスの前にある家庭菜園エリア、ヒルトップハウスに1906年増築された部分より向こうに広がる農場エリア、そして小道の格子垣の向こう側にあるパドックと果樹園エリア、さらに果樹園の奥はジマイマの森へとつながっています。

ビアトリクスが生み出したキャラクターたちが、どこかでつながっているようにヒルトップ農場もそこかしこで今でも描かれたままの景色でつながり、私達に感動を与えてくれます。

ここまで、庭の見学だけで30分、ヒルトップハウス内見学と合わせて既に1時間が経過。予定をぎっしり詰め込んだツアー内容だったので、本当は一日ゆっくりしていたい場所ですが、次の場所へと移動する時間も迫りました。その前にお約束のショップに立ち寄りました。

ヒルトップ農場のショップに関しては次のブログにて。

英国旅行記2018年 湖水地方 ヒルトップ農場へ その9

英国
01 /31 2019
英国旅行の続き、ヒルトップ農場のあるニアソーリーへ到着したのが午前9時30分。チケット売り場でその日開場一番である10時の入場チケットを入手し、ヒルトップハウスを1階、2階と見学して外に出るまで、滞在したのはちょうど30分間だった。

私が18年前、初めて湖水地方を訪れた際、現地の一日観光ツアーでヒルトップ農場に訪れ、その時はツアースケジュールの関係で、ヒルトップ農場の滞在時間はわずか30分だった。この見学時間内に、すべてを見て回るのは至難の業で、恐らくヒルトップハウスを見学するだけで終わってしまう。ここにはヒルトップハウス以外にも、『こねこのトムのおはなし』や『あひるのジマイマのおはなし』で描かれた美しい庭がある。

そのことは重々分かっていたので、今回私が作成したツアーは、たっぷりと時間がとってあった。それでも見ようによっては早い人、遅い人といる訳でその調整は難しい。私は遅い部類で、2階見学時に窓から庭を見下ろすと、既に数名庭を見学されている方がいた。という訳で、次に紹介するのはヒルトップ農場のガーデンについて。

ヒルトップ農場内には4つのエリアがあり、一つ目は道路に面した入口からヒルトップハウスまでの小道沿いの「お花畑エリア」、二つ目はヒルトップハウス前のアイアンフェンスのゲートから入る「家庭菜園エリア」、三つ目は格子の木製フェンスで区切られた果樹が植えられた「パドックエリア」、四つ目はヒルトップハウスの奥にある「農場エリア」。このうち一つ目と二つ目のエリアが一般公開され、三つ目と四つ目はその景色を眺めることができる。

まずは一つ目エリアの小道沿いの両脇に植えられたお花畑エリアから。

アンブルサイド近くにある採石場のブラセイ産スレートを敷き詰められた小道は、真っすぐにヒルトップハウスまでつながっていて、『こねこのトムのおはなし』や『こぶたのピグリン・ブランドのおはなし』の挿絵の背景として描かれた。

ここに植えられたお花畑の植物は、一見 雑多に色々な種類が植えられているように見えるかもしれないが、自然に生えているそのままの風景を再現したもので、これらを「コテージ・ガーデン」と呼ぶ。

しかし、この素敵なお花畑もビアトリクスの死去後、再びナショナル・トラストが一般公開するに至るまでにほとんどの植物が絶えてしまい、現在私達が目にしているのは、ナショナル・トラストのガーデナーが、その当時の写真や手紙などの書簡、そして挿絵に描かれた背景を資料として復元されたもの。植えられた品種は、ビアトリクスが生きていた時代のものであり、植物の品種改良の進む現在において100年前の素朴な色を楽しめる。

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ヒルトップハウスを背にして撮影した小道。
 
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黄色い花の群生は「オカトラノオ(セイヨウクサレダマ)」
繁殖力の強いオカトラノオは、はびこらないうちに掘り起こし、別の場所に植え替えるという作業をビアトリクスも行っていたそうだ。

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左側に見える背が高く白い花、茎の先で四方八方に伸びて、黄色みがかった小さな白い花を多数咲かせているのは

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「ヤマブキショウマ」
ススキのように風に揺れて存在感ある面白い花でした。
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ヤマブキショウマの足元で、背の低い草花は「オミナエシ?」
背が低いので違うかも。カランコエのような小さな花がたくさんつき、初夏に向け色づく花のよう。

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ヤマブキショウマの手前、空に向かって高く伸びているのは「アザミ」
『のねずみチュウチュウおくさんのおはなし』でジャクソンさんが「ぷっぷっぷう」と飛ばすのはアザミの綿毛。

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エンドウマメは花が終わり、豆の入った鞘が膨らみ始めていた。

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ヒルトップハウスの少し手前、咲き誇る黄色い花は先程紹介した「オカトラオ」、その手前分かりづらいですが、こんな可愛らしい花が、、
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「ブルガリア・オダマキ」
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「セイヨウオダマキ」
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オダマキの斜め奥に生えていたのは「カラマツソウ」
ヤマブキショウマ同様、カラマツソウも種や茎がそのまま残ると翌年大繁殖するので、植物が枯れた後の冬の間も手入れが欠かせない。
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カラマツソウの後ろ、オカトラノオの左側で、紫の星型の花をたくさん付けているのは「カンパニュラ・ラクチフローラ(別名:ミルキー・ベルフラワー)」。
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今度は小径の右側(ヒルトップハウス側に歩いた場合)に目をやると、なんとも不思議な丸い実がたくさんなっている。
これは、『ピーターラビットのおはなし』で、ピーターがマグレガーさんの畑でグーズベリー(スグリ)にかけていた網にひっかかった、「グーズベリー」。
ビアトリクスもマグレガーさんのように、鳥たちがグーズベリーの蕾をついばむことに困り果てていたようだけど、私達が訪れた時点でまだ網はかけられてはいなかった。
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グーズベリーの先に、花が終わった後に面白い実がなる「ルナリア(別名:ゴウダソウ)」が、枝の先に小判のような実をヒラヒラさせていた。
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ヒルトップハウスはツル系植物の宝庫で、クレマチス、フジ、ツルバラなどが咲き誇る。玄関ポーチ右側の大きなツルが白いフジで、私達が訪問した6月下旬、英国は日本よりも1カ月ぐらい季節の訪れが遅いし、もしかしたらまだ咲いているかもという淡い期待は見事に裏切られてしまった。
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ツルバラも花が一段落した後で、パラパラと咲いていた。このバラは「ケンティフォリア」で、日本のビアトリクス・ポター資料館もほぼ同じ位置にツルバラがある。資料館のツルバラは「ファンタンラトゥール」で、「ケンティフォリア」と同じ系列。こうしてみると「あれ?資料館で撮影した写真だっけ?」とつい目をゴシゴシしたくなるほど。

ビアトリクスは美しい湖水地方の景色にとけこんだこの古い家を本当に愛していて、家だけでなく庭も家の一部として庭づくりに励んでいた。そして目指したのは、「庭と家を一体化する」ということ。だから例え、植物の根が家の床を持ち上げたとしても、さらには小さな虫たちが家の中にはいりこもうとも、彼女が目指す理想を追い求めて庭造りも行っていたに違いない。

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もうひとつのバラは「クィーン・オブ・ブルボン」。こちらのバラはちょうど見頃でとても美しかった。
ビアトリクスも庭にバラがなくては満足できないと、結婚後に移り住むカースルコテージの庭もバラが植えられた。カースルコテージのバラは「モスローズ」だそうで、ピンクの色彩だけでなく、その香りも余すことなく楽しんだそうだ。

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私達がこの旅を6月に選んだ理由のひとつに、『あひるのジマイマのおはなし』で描かれたジギタリスが見たかったから。ヒルトップ農場のお花畑は意外と咲いていなかったけれど、この後ミニバスに乗りながら各所で目にすることに。それはまたのお楽しみに。

ジギタリスの英名は、「Foxglove(キツネの手袋)」で、これは古英語「foxes-glofa」が語源とされ、キツネが狩りをする時、足音を消すためにジギタリスの花を足にはめた「glofa(グローブ)」からこのような名前が付けらえている。しかし、まったく真逆の言い伝えもあり、「foxes-gleow」という、花の特徴である釣鐘を意味する言葉「gleow」で、キツネの首周りにつけるとハンターたちがベルで気づくだろうというところから、このような言い伝えもあるそうな。
古代ローマ時代から存在する不思議な花ジギタリスは、その毒性も相まって、『あひるのジマイマのおはなし』でジマイマが偽紳士にまんまとだまされる姿に、このジギタリスが持つ怪しさが関係しているかもしれないと考えると楽しい。

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アザレアにツルを伸ばし咲いていたクレマチス。
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イングリッシュガーデンには欠かせない「アストランティア・マヨール」は防虫対策としても役立つと、「ガーデニング誌ビズ」No.64ピーターラビット大特集に掲載されていた。

ビアトリクスが目指した植物と家の一体化と、庭も部屋の一部として丹精込めて造り上げたガーデン。それらを引き継いだナショナル・トラストのガーデナー。私達は6月に訪問したけれど、7月、8月と次々に可愛らし花々が咲き乱れる一つ目のお花畑エリアの紹介でした。

また、西村書店の「ビアトリクス・ポターが愛した庭とその人生」は、ビアトリクスが庭造りにかけた情熱とその行動をひとつにまとめた書籍で、最後に一覧表で「びあとりくすの庭の植物」も紹介されている。興味のある方はぜひお薦めします。

次回のブログはヒルトップ農場の二つ目以降のエリアへ続きます。

英国旅行記2018年 湖水地方 ヒルトップ農場へ その8

英国
12 /11 2018
英国旅行の続き、旅行に出かけてから既に半年が経過しましたがまだ全然先に進まず(苦笑)。気を取り直してヒルトップハウスの2階ニュールームへ。


uk200.jpg 階段を上り、階段に背を向けた右手側、人とすれ違うのも難しい狭くて暗い廊下を進んだ先に、明るく開放的な比較的大きな部屋「ニュールーム」とビアトリクスが呼んだ部屋がある。


この部屋は、1906年に増築した2階部分で、他の部屋よりも約60㎝ほど天井が高く、壁2面に窓があり、明るく開放感を感じる部屋だ。最初「図書室」と呼んでいた頃は、弟バートラムの大きな作品(油絵100号サイズ)を飾るためだけに使用していた。


uk201.jpg バートラムの作品は、結婚後移り住んだスコットランドの景色を描いたもので、姉のビアトリクスが手のひらサイズの小さな作品が多い中、大きさだけみても対照的だ。こうした作品は、絵描きとしていつかは大作を描いてみたいという願望からか、それとも絵本作家として成功した姉には描けないものをと思ったからなのか、1918年46歳で亡くなった弟を偲ぶかのようにヒルトップハウスのニュールームに運ばれた。


この部屋で真っ先に目が奪われるはこうしたバートラムの特大サイズの作品4点だろう。作品と作品の間に、モダンな飾り柱(ピラスター)が仕切りのように取り付けられている。


図書室として呼んでいた頃はあまり使用されることのなかったこの部屋が、書き物机やビアトリクスの好きなアンティーク家具を配置することで、ヒルトップハウスの内でほぼ毎日のように執筆活動する部屋となった。



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書き物机の前に配置されているアンティークチェアは、19世紀ドイツの家具職人ミヒャエル・トーネット(Michael Thonet)の作品、ベントウッドチェア(曲木椅子 bentwood chair)で、祖母ジェッシーがカムフィールド・プレイスで使用していたもの。


uk203.jpg このベントウッドチェアは、『ねずみが3びき』という1892年の未発表作品(おはなし全集の改訂版に掲載)に描かれた。



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書き物机の上にあるのは、サギ科の仲間「ヨシゴイ」の標本。ヒルトップハウス内でゲストに最も質問されるものについて紹介されているスタッフブログによると、この標本もその内のひとつだそうだ。



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反対側の壁には蝶の標本も展示され、ビアトリクスが熱心に調べたであろう1633年出版の「ジェラードの本草書(Gerad's Herbal)」などもあり、ビアトリクスの博物学への探求心を垣間見ることができる部屋。



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壁に吊り下げてあるキャビネットの内のひとつは、チェスの駒、象牙の置物などがあり、


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ビアトリクスと日本といえば、ビアトリクスの1882年(16歳)の作品に、歌川広重の練習「諸職画通三篇」の背表紙が描かれていることが分かり、河野先生がこの発見を2014年にプレスリリースされた。



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もうひとつの食器類が並べられているキャビネット内の隅にあるのも、日本製の浮世絵絵皿と、戦国武将柄の蓋付きコーヒーカップ(1900年製)がある。ビアトリクスのお眼鏡にかなったものの中に、日本のものも含まれているという事実があるだけで嬉しい。そういった棚の中にあるものも目を皿のようにして楽しめるということは、マニアックな世界へさらに足を一歩踏み込んでしまったようだ。



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象牙の置物中に混じって象牙の柄がついたコルク抜き(Corkscrew)がある(写真はチェスの駒の入った、壁に吊り下げてあるキャビネットの棚上から5段目の真ん中辺り)。食器棚にはルビー色のアンティークグラス(一番上の棚)があり、ワインを嗜むこともあったのだろうかと想像が広がる。


食器棚の上から2段目の左にあるのは、父ルパートの絵付けによる脚付きカップと、その奥にソーサーがあり、ビアトリクスが6歳の頃の思い出の品だ。


uk196.jpg 食器棚を覗きこまないと見えない下段にあるのは、ちょっと珍しい1690年創業のフランスの陶器メーカーで、アンリオ・カンペールの民族衣装を着たデザインの靴の形や、白鳥の形などをした入れ物やトレイなどがある。



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この部屋には弟バートラムの作品だけでなく、家族全員の作品が勢ぞろいしている。上から母ヘレンの湖畔の景色を描いたもの、父ルパートの「3匹の盲目ネズミ」、ビアトリクスの「糸車」。家族共通の趣味が絵画であり、芸術家一家という側面も改めて垣間見ることができる。



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この部屋の紹介冒頭に戻り、壁2面に窓があるという部分、部屋の入口を背にした右側の窓に注目すると、スタッフの方が作業されているにもかかわらず、お願いすると快く立ち上がって場所を開けてくれた。



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この窓から望む景色は、モスエクレス湖へと続くストニー通りが見え、『ひげのサムエルのおはなし』で描かれた。


ようやく長い長いヒルトップハウスの旅行記が終了しました。次はヒルトップの庭とショップへ続きます。この続きは次のブログにて。

英国旅行記2018年 湖水地方 ヒルトップ農場へ その7

英国
11 /07 2018
マイペースなのんびりした更新ペースですが、引き続きお付き合いください。

英国旅行の続き、ヒルトップハウスの2階、宝物の部屋の隣、プライベートリビングへ。

1階の応接間ほど堅苦しくなく、家族や親せき、親しい人と集いリラックスする部屋として利用されたとか。

部屋の大きさは、6畳間ぐらいで、四方の壁に絵画が何点も飾られている。絵画は、宝物部屋がファンタジーの作品が多いのに比較して、この部屋の作品は山や海の景色を描いた風景画が多い。その中に混じって弟バートラムの作品も飾られている。

uk183.jpg ピアノの真上に飾られているのは、ビアトリクスが大好きだった弟、バートラムの作品「夕焼け空にガチョウの群れ(A Sunset with a Flight of Geese)」

このピアノは、ムツィオ・クレメンティ社(Muzio Clementi and Co.)が1810年ロンドンで製造したマホガニー製のスクエアピアノで、鍵盤数は68、弦は斜めに配置されている。このピアノは、ヒーリス家からやってきたものらしく、蓋の裏に「E.H&M.H」と年号がひっかき傷のように刻まれている。

日本最古のピアノもメーカーは違うものの、英国製のスクエアピアノだそう。
山口県 熊谷美術館 日本最古のピアノが展示されている美術館

ピアノを支える脚は、ぐるぐる螺旋状にねじられるバーリーシュガーツイスト(Barley Sugar Twist)風のデザインで、音楽を楽しむだけでなくインテリアの一部としても楽しめるもの。

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出窓に目を向けると、『こねこのトムのおはなし』でよそゆきのエプロンを着たミトンとモペットの姿が。そうこの部屋でトムたちは身支度を整えたのだ。どうしてこの部屋と分かるのかというと、、、

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描かれた挿絵と置き場所が相違(挿絵は出窓の右側、実際は左側)するものの、マホガニー製の箪笥の上にある置き鏡が描かれた。この鏡は、曾祖母アリス・クランプトンの形見で、引き出し部分に象牙の取っ手がついた1850年頃のもの。

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暖炉のそばにあるマホガニー製の刺繍枠、スクロールフレームは、1830年頃のもので、ビアトリクスが指しかけの刺繍がそのままつけられている。

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炉棚にあるのは、ロイヤルクラウンダービーの1878年の花瓶が対に飾られている。美しい白磁で台座の部分にシルエットが刻まれたもの。絵画は、ウィンダミア湖のアンブルサイド側ウォーターヘッドから見た景色を描いた1800年頃の作品。

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この部屋のひときわ大きな書き物机付き書棚は、1770年頃のマホガニー製で、高さは天井ぎりぎりの213㎝。この書棚はビアトリクスが初めて購入したアンティーク家具で、ビアトリクスの死後、カースルコテージよりこの部屋へ運びこまれた。

uk190.jpg 書棚の真ん中に、日本で開催された原画展に展示された黒い服と赤い服を着たお人形(原画展図録P194参照)が飾られていた。お人形の前にあったのは、原画展でも使用された「ブルーウール(The Blue Wool Scale)」で、積算照射量で色が変わる特別な試験紙だ

uk191.jpg 一番下の段にあったウェッジウッドのグリーンラインが入ったナーサリーウェアコレクション(原画展図録P201参照)と、グリムウェイズのチャイルドウェアコレクション(原画展図録P202参照)も原画展で展示されたもの。
この書棚の中の半分以上が日本にやってきていたなんて本当に信じられない。

グリムウェイズの食器セットの真ん中や、左側の端にある卵入れに、ビアトリクスが装飾したイースター(復活祭)で使用する卵転がしレース「ペースエッグ」が飾られている。ビアトリクスは村の子ども達のためにペースエッグ用の装飾をしたそうだ。

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この部屋にあるアンティークチェアは3種類。
ピアノの前にある椅子と、書棚の左右にある椅子は、背もたれが麦の穂を束ねたような形をしているところから「ウィートシーフバッグ(Wheat-Sheaf Back)」という椅子。
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ピアノの左側にある椅子は、繊細な透かし模様が彫刻された「リボンバック」という椅子。3種類共1770年頃のマホガニー製で、赤茶色の美しい色をしていた。

ビアトリクスの写真もたくさん飾られ、プライベートルームに足を踏み入れた感覚をより一層深める部屋でもある。ヒルトップハウスもいよいよニュールームを残すのみ。この続きは次のブログにて。

ラピータ

ピーターラビットの生みの親ビアトリクス・ポターの愛好家で、作品について、開催されたピーターラビットのイベントやグッズ紹介、ピーターラビットの故郷英国について紹介するホームページ「ラピータの部屋」のブログです。
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