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英国旅行記2018年 湖水地方 ホークスヘッド散策とビアトリクス・ポター・ギャラリーその2

英国
09 /03 2019
ヒルトップ農場のあるニアソーリーから、車で15分(徒歩約50分)ぐらいの場所にあるホークスヘッド(その1で紹介)に到着し、町の散策した後の続きです。

ホークスヘッドは、散策も楽しいし、ショッピングも楽しい。またカフェでゆっくりお茶するもの楽しい。でも散策やショッピングに夢中になっていると、ビアトリクス・ポター・ギャラリーは午後4時(受付は15時半)に閉館するので要注意です。

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ビアトリクス・ポター・ギャラリーの建物は、ビアトリクスの夫ウィリアム・ヒーリスが弁護士事務所として使用していた場所で、1987年にオフィスが空き家となり、ウィリアムの遺産手続きに基づき、建物の所有権がナショナル・トラストとなりました。その翌年の1988年に、博物館&ギャラリーとしてオープンし、彼女の500点を超える原画を展示するスペースとなりました。

そもそもウィリアムとの出会いは、ビアトリクスがヒルトップ農場を購入した3年後の1908年、土地購入に関して助言してもらうためこの弁護士事務所を訪れたのがきっかけでした。そしてその出会いから5年後の1913年、ウィリアムとビアトリクスは、ロンドンの教会で結婚式を挙げました。

現在ギャラリーがある建物の受付部分は、前回の英国旅行記ブログで紹介したとおり『パイがふたつあったおはなし』でタビタおくさんの雑貨屋として描かれた場所です。そしてさらにその隣、ギャラリーではない方の建物「ベンドorバンプコテージ(Bend or Bump Cottage)」は、ウィリアムの父と父の兄である叔父さんが、ホークスヘッドに借りた初めての事務所でした。
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ベンドorバンプコテージ(Bend or Bump Cottage)
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ビアトリクス・ポター・ギャラリー 入場料 大人 6.8ポンド

入場料を支払う際、団体料金の人数条件(8名以上)は満たしていたので、11名で料金1人6ポンドで入場できると思ったら、「団体ではなく、個人料金」ということで受け付けてもらえませんでした。日本から出発間近に、「団体で入場する際は、大概の施設は事前に電話で予約が必要になる」と連絡が入り、ヒルトップ農場は前日に団体予約コードを受け取ったので入場できましたが、まさかほとんどの施設で事前予約が必要だったとは!!

今回の場合は、個人料金1人6.8ポンドを支払えば、全員一緒に入場するのは問題なかったので、ギャラリーに無事入ることができました。

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受付のカウンターに置かれた天秤ばかり。『「ジンジャーとピクルズや」のおはなし』に描かれたもの。

『「ジンジャーとピクルズや」のおはなし』に描かれた天秤ばかり。裏見返しにこの秤の全体像が描かれていて、見れば見るほど描かれたそのものというのが分かります。

受付を通り抜け次の小さなフロアで、別のスタッフによるカメラ撮影に関する注意がありました。作品に近づきすぎないことや、フラッシュ撮影は禁止など。

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ギャラリーは2階で、1階はウィリアムが弁護士事務所として働いていた場所を再現し、ビアトリクスの写真や手紙を展示しています。展示されている家具は、その当時使用されていたものや、もしくは再現されたものだそうです。
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狭く急な階段を2階へ

2階は、天井は低いものの広々としたスペースにビアトリクスが描いた絵本の原画が飾られています。2016年のビアトリクス・ポター生誕150周年記念として、日本で大規模原画展が開催されましたが、展示された原画はここからやってきました。この時に展示された200点ほどの作品は、今後4、50年休ませる必要があるという話もあったので、当分見ることはできないかもしれません。

BS朝日で放送された「ディーン・フジオカ 初のイギリス旅 美しき湖水地方ピーターラビットの世界を訪ねる」で、このギャラリーを訪れたディーンさんが原画をご覧になり、「色の使い方がすごい。その景色がそこにあるみたいに描いている。ファンタジーだけど現実の世界観がそこにある」と感想を述べられていました。

ここはビアトリクスが絵本に描いたオリジナル作品が常時展示されている唯一の場所で、私達ビアトリクスファンにとってはヒルトップ農場がビアトリクスが愛した景色や、好んだアンティークな品々を見ることができる場所とするならば、彼女が愛した湖水地方の景色を物語の挿絵に描き、キャラクターたちが今に動き出しそうな躍動感あふれる作品の生の姿を見ることができる場所なのです。

最初に紹介しましたが、このギャラリーが所蔵するビアトリクスの作品は500点余りで、その内訳は『ピーターラビットのおはなし』、『グロースターの仕たて屋』、『フロプシーのこどもたち』を除く他すべてのおはなしの原画や、彼女の書いた手紙や写真、絵本の挿絵の背景として描いたスケッチ作品も多数あります。

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今回は、『こぶたのピグリン・ブランドのおはなし』、
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『あひるのジマイマのおはなし』、
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『ひげのサムエルのおはなし』、
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『「ジンジャーとピクルズや」のおはなし』などが展示されていました。展示はケースの中に2枚がセットなり、作品の下にキャプションが添えられ、さらに下には訪れたお子さんが書いたのか、手書きのラベルが貼り付けてありました。

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そして最も多くの原画が展示されていたのは、2018年に出版100周年を迎えた『まちねずみジョニーのおはなし』でした。他のおはなしは2点から多くても4点の中、こちらは10点展示されていました。
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『まちねずみジョニーのおはなし』より、野菜畑で生まれたチミー・ウィリー

ギャラリー内の室内は暗く、間接照明がケースのガラスに反射し、上手に撮影することができませんが、水彩画作品は光に弱く作品に与えるダメージを最大限減らさなければいけないので、今後100年、200年と保つためには致し方ありません。こうして見られるだけでも幸せ者です。

ギャラリーは原画の展示だけでなく、毎年異なる企画展を開催しています。こうした企画展を通して、ビアトリクスの偉業について知ることができる場所でもあります。今年はビアトリクスが尽力した地域看護婦協会について紹介されていました。

ビアトリクスは地域の看護師、それも家庭や地域の人々の看護を向上させる「クイーンズナース(Queen's Nurse)」が必要と考え、これらを実現するために奔走しました。
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これらの活動の中心となって行動した彼女は、1919年、ホークスヘッド地域看護協会より「クイーンズナース」として初めて訪問看護が実現しました。こちらはクイーンズナースより、ビアトリクスに宛てたポストカードと、クイーンズナースのバッヂと共に、『妖精のキャラバン』より、朝が遅いルイーザがベッドで寝ている挿絵が紹介されていました。訪問看護の紹介だけに、ベッドで寝ている挿絵が相応しい?!
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クイーンズナースは、地域医療サービスと助産術で活躍し、ビアトリクスは資金援助だけでなく、看護を必要としている人の情報、看護師の住居や移動の為の車なども提供していた。こちらは、『「ジンジャーとピクルズや」のおはなし』で、やまねのジョンさんがベッドで寝ている挿絵と一緒にこれらエピソードが紹介されていました。
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ビアトリクスの肖像画とマントルピース。ディスプレイされていたのは、麻のロープで作ったハードウィック種の羊。
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材料が用意されていて、自由に作ってお土産にしても良かったみたいですが、不器用な私には難しそうでした。

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天井が低いのは、2階建ての建物と思われたさらに上に屋根裏部屋があるためです。さらに上に続く階段は立ち入り禁止。

上がってきた階段とは違う別の階段で1階におりると、そこはこじんまりとしたショップでした。ヒルトップ農場のショップをさらにこじんまりした感じのショップです。
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『まちねずみジョニーのおはなし』出版100周年の記念本が、表紙に描かれたまちねずみジョニーが持つブリーフケース風ボックスにディスプレイされています。野菜が入ったバスケットではありませんが、チミーも眠りこけていました(笑)。この表紙に描かれたまちねずみジョニーは、ホークスヘッドに住んでいた、夫ウィリアムの親友パーソン医師がモデルで、二人でよくゴルフをしていたんだとか。なので、もう片方の手にはゴルフバッグが握られているのですね。

こうして私達は、午前中にヒルトップ農場を見学し、午後からビアトリクス・ポター・ギャラリーも見学することができました。なんて贅沢な一日なんでしょう。ホークスヘッドでたっぷり時間を取っていたのですが、この町に到着した時に老人に声をかけられた通り、段々と雲行きが怪しくなり今にも降りだしそうでした。

全員揃ったので、次の目的ハウズ湖へ。今回の旅は本当に盛りだくさんで、一日で頑張ればこんなにまわれるということが分かったという旅でもあります。この続きは次の旅行記のブログにて。最後までお読みいただきありがとうございました。
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ラピータ

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