英国旅行記2018年 湖水地方 スケルギル農場は『ティギーおばさんのおはなし』の舞台へ

さぁ、いよいよ湖水地方滞在3日目の最終目的地「スケルギル農場(Skelgill Farm)」へと向かいます。しかし、この日の予定の内、ここが最難関で目的地に無事に着けるか不安でした。

運転手のデレックは、これまで作動させてなかったナビをセットし、音声案内の声に私も耳を傾けていました。私が指定した場所は、キャットベルズ山の駐車場でしたが、最後の曲がり角を右に曲がればすぐのところを、デレックは左に曲がりました。ナビ音声は「ターン・ライト」と言いましたが、左に曲がったのです。

私はデレックが左に曲がってくれて、なんという幸運が訪れたのだろうと思いました。キャットベルズ山のふもとの道を右に曲がると、山の向こう側にまわりこむためダーウェント湖は見えなくなります。しかし、左に曲がると再びダーウェント湖が目の前に開け、そして『りすのナトキンのおはなし』に描かれたふくろう島(セント・ハーバート島)が真正面に見られるのを、旅行計画を立てている時にグーグルマップを見て知っていたからです。

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私はとっさに皆さんにそれを伝え、リングホームから見えたセント・ハーバート島の景色とは違う角度で、そして視線もより高い位置から再びセント・ハーバート島を見ることができたのです。本当になんという幸運だったのでしょう!しかし、デレックは私達をどこに連れて行くのだろう?

到着した場所は、キャットベルズ山の駐車場でした。なんと、キャットベルズ山の駐車場は、全部で4箇所あるそうで、私が指定した駐車場は間違っていると判断されたのか、その辺りのところ英語が理解できず意味不明でしたが、デレックは「こっちの駐車場じゃないの?」って、私が「右側の駐車場」という言葉に信じられないという顔をしてUターンしました。そしてナビが示した場所に無事到着しました。

デレックはこんなところにやってきて、夕方5時過ぎに一体何をするんだい?って感じでしょうか?この駐車場はキャットベルズ山に登山する方が利用する駐車場で、周囲は農場があるだけで見学するような場所は何もない(と、デレックは思ったのでしょう)。

私は初めて訪れる場所で、グーグルマップで何度も確認したけれど、この先に進んで良いのかどうか不安で仕方ありません。デレックに「この道を進んでもOK?」と聞いてみたけど、彼は両手を高く上にあげるだけで何も答えてくれなかった。

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私はここで引き返す訳に行かず、河野先生の「行けばなんとかなる」というアドバイスを信じ、皆さんを引き連れ前に進みました。「この先スケルギル農場、駐車禁止、引き返せ」という案内標識のあるその先の道を歩いて約10分ほど。

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「スケルギル農場」

目の前に現れたこの景色、これこそ楽しみにしていた景色です。『ティギーおばさんのおはなし』で、リトルタウンに住むルーシーの家として描かれました。日本語訳では「いなかの、ある農家に、ルーシーという女の子がいました。」となっていますが、「いなか」というのは原文で「リトルタウン(Little Town)」という建物が5,6軒あるだけの小さな集落の名前で、ある農家というのがスケルギル農場です。

手前が納屋で、傾斜した土地に建てられた白い建物は一段高い場所にあります。そして納屋と建物の間に、シダの葉に隠れて見えづらいですがゲートが挿絵そのままに。まさしく聖地、絵本の舞台です。

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ルーシーがここでハンカチを探している姿が目に浮かびます。それからネコやメンドリたちの姿は見当たりませんが、ハードウィック種の羊の親子がいました。

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しばらく興奮しながら撮影に夢中になっていましたが、どなたかがスケルギル農場の石塀にこのような標識を見つけました。「この先も行けるみたいよ、フットパスって書いてある」と。「いっちゃえ、いっちゃえ(笑)」という声も。

仲間と一緒ってなんて楽しい旅なんでしょう。自分一人だったらこの先も進んだかしら?いや、きっと一人でも好奇心は押えられず進んだことでしょう。

「行けばなんとかなる!」

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この先に進むとすぐにまたゲートがありました。

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そしてフットパスが続いています。

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さらにもうひとつゲート。
ルーシーは、こうしてずんずんと進み、そしてティギーおばさんに出会い、探していたハンカチを見つけます。私達もルーシーのようにゲートをくぐって前へ、前へ。

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最後のゲートのその先は、いきなり目の前が開け山に囲まれたニューランズ峡谷(Newlands Valley)が現れました。左手はキャットベルズ山(Catbells 標高451m)、その隣の山はメイデンムーア(Maiden Moor 576m)、ハイスパイ(High Spy 653m)、デールヘッド(Dale Head 753m)、ヒンズカース(Hindscarth 727m)、ロビンソン(Robinson 737m)と峰々が連なっています。これらの山に囲まれ斜面が広がるこの場所はニューランズ峡谷で、『ティギーおばさんのおはなし』の舞台となりました。

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「ルーシーも石の段々の向こうに出てみました。」とある場面、ルーシーが見つめているのは左手のキャットベルズ山ではないでしょうか?

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そしてその次に続く場面は、ルーシーの眼下にリトルタウンの村が描かれました。リトルタウンは、スケルギル農場から少し離れた位置にあります。(赤い矢印で示した場所)

ビアトリクスがおはなしに登場させたルーシーのモデルとなった少女、その名もルーシー・カーがここに住んでいました。

リトルタウンも行きたい個所のひとつでしたが、駐車場がリトルタウンを通り過ぎた坂の下にあることや、スケルギル農場はもちろんですが、リトルタウンも観光地ではないのでトイレなどの施設はありません。いくらトイレを済ませていたとしても、両方回るのは厳しいかなと今回は諦めました。

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2003年の英国旅行の際、スケルギル農場の場所が分からず、リトルタウンを色々探し回りましたが、見つけられたのはティギーおばさんの看板のみでした。写真は2003年に撮影したリトルタウン農場の看板。この時も到着したのが夕方で、ルーシーのように山道を登ることができなかった。いつか、山登りにも挑戦して、ルーシーが見つけたティギーおばさんの家(鉱山跡)にたどり着けたらいいなと思います。

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スケルギル農場からデレックの待つ駐車場へと引き返している時、行きはこの先に進んで良いか不安で気づかなかったけれど、農場の方へと目を向けると、羊の毛にカラフルな色がつけられているのを見つけました。

これは「スミットマーク」と呼ばれるもので、『ティギおばさんのおはなし』では、「肩のところに押してある農場のはんこ」と訳され、原文は「sheep-mark」となっています。そして、これは「スケルギル農場の小羊のオーバー」「こっちはゲイトガス農場」とあります。写真のスミットマークは、スケルギル農場のものかしら?

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これで3日目のすべての予定は無事終了しました。ダーウェント湖からホテルのあるボウネスからまでは、約1時間の道のりの為、スケルギル農場から20分ほどのところにあるダーウェント湖観光の拠点となる町ケズウィックに立ち寄り、スーパーマーケットの「ブーツ(Booths)」でトイレ休憩しました。

私はブルーチーズ入りのサラダがまったく食べられなかったので、ついでに夕食のおかずを購入したのですが、他の皆さんはお土産探しに夢中でした。そういえば湖水地方はこの日が最終日なので、湖水地方土産を買うラストチャンスでした。ボウネスは、大きなスーパーへ行くには、隣のウィンダミア駅まで行かなくてはいけないのでここに立ち寄る予定にしておいて良かったと思いました。

以上で湖水地方の旅は終わり、翌日はシェイクスピアの生家があるストラットフォード・アポン・エイボンへ寄り道をして『グロースターの仕たて屋』の舞台となるグロースターへと向かいました。この続きは次の旅行記ブログにて。最後までお読みいただきありがとうございました。
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ピーターラビットの生みの親ビアトリクス・ポターの愛好家で、作品について、開催されたピーターラビットのイベントやグッズ紹介、ピーターラビットの故郷英国について紹介するホームページ「ラピータの部屋」のブログです。
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