英国旅行記2018年 グロースター大聖堂で『ピーターラビットのおはなし』に描かれたクロウタドリに出会う

グロースターの町のシンボルでもある大聖堂は、町の中心部にあり、私達ビアトリクス・ポターファンが真っ先に訪れる「グロースターの仕たて屋の家」アトラクションのすぐそばにあります。今回の英国旅行記ブログは、大聖堂を中心に紹介したいと思います。

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グロースター大聖堂(コレッジグリーン側から撮影)「コレッジグリーンって何?」と思った方は、2018年英国旅行記のひとつ前のブログをご覧ください。

大聖堂は、修道院の一部として1089年より建設が進められ、1540年以降は英国国教会のグロースター教区教会として地元民だけでなく、多くの観光客も訪れます。

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正面入り口は、二つの鍵が左右に開く自動ドア。

入り口には関係者の方が数名いて、観光客と思われる人々に声をかけています。日本人とみるとすぐに日本語のリーフレットを渡してくれました。

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大聖堂の回廊
映画「ハリーポッター」シリーズのロケ地として、一躍有名になった大聖堂。撮影されたのは、扇型の天井が特徴の回廊(cloisters)です。リーフレットによると「回廊は修道士の生活エリアです」とあったけれど、ここで生活できるの?と驚きでした。

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キング・エドワード2世の墓標
現在は観光客が大勢訪れる大聖堂ですが、その昔はキング・エドワード2世(1327年没)が埋葬されたことがきっかけに、巡礼者が大勢訪れる場所となりました。大聖堂の周りにたくさんの宿屋(Inn)があったのは、巡礼者たちの宿が必要だったからです。墓標の彫像は、アラバスターという美しい白色の鉱物を使用していて、近年これらの彫像が修復されました。よく見ると王の足元には獅子が、枕元には天使がいます。

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グレイト・イースト・ウィンドウ
1350年代に設置された世界最大の窓(高さ22mx幅12m)です。このステンドグラスは、エドワード2世が埋葬された後に制作されたもので壁一面を覆いつくしています。

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天井装飾
天井装飾の彫刻は、見上げなくても見られるように鏡が設置されていました。これがなければハープやシンバルを手にした天使の彫刻に気が付かずに通り過ぎるところでした。

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レディ・チャペル
キリストの母である聖母マリアにちなんで1470年代に再築された礼拝堂です。大聖堂の入り口と正反対の奥に突き出た部分にあり、ここだけ雰囲気が変わり、とてもエレガントな装飾と気品のある美しさにしばし見惚れました。

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中庭
回廊から中庭へ。中庭もとても居心地がよく、ベンチもあってひと休みできました。中庭の撮影をしていた時、足元に鳥がやってきて、一瞬でこれはクロウタドリだと分かりました。

そう『ピーターラビットのおはなし』に描かれたクロウタドリです。

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クロウタドリのオスとメス

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「マグレガーさんは、くろなきどりを追い払うのに、作った案山子にピーターの小さな上着を着せ、靴をはかせました。」
『ピーターラビットのおはなし』より ビアトリクス・ポター(著)石井桃子(訳)

翻訳ではクロナキドリとありますが、一般的にはクロウタドリと呼ばれているそうです。カラスのような見た目ですが、体の大きさは、カラスよりは小さく、スズメよりは大きかったです。日本では滅多に見ることはできません。

以前、動物学者の先生にクロウタドリについて質問しました。『ピーターラビットのおはなし』のこの挿絵に描かれたクロウタドリというのは、案山子の場面で説明があるので分かるのですが、色が相違するこの鳥はクロウタドリのメスと思うのですがいかがでしょうか?

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質問した挿絵がこちらです。

先生はしばらく挿絵を眺めた後、「ずばりメスです」と答えてくださいました。

動物の群れは、オスを中心とし複数のメスで成り立っているのですが、鳥に関していえば一夫一婦制が多く、生涯夫婦で行動するというのが大きな特徴だそうです。そして、そこに描かれている黒い鳥はクロウタドリのオス(嘴は黄色、色は黒、目の周りに黄色のリング)で、もう1種類の鳥はクロウタドリのメス(色は茶色、オスに比べ若干小さい)で間違いないそうです。

 先生はこうも付け加えられました。「これもまたポターの観察眼の凄さであり、名作として世に残る作品はそういくつもない。そして名作として残る作品は、とことん見る人の目に耐えられる作品のみが世の中に残る。それが名作だ」と。

そんなクロウタドリの夫婦が目の前に現れたのです。これは興奮MAXでしたが、鼻息荒く近づこうものなら即座に逃げられます。クロウタドリたちは、中庭の草むらに巣があるようで、警戒しながら少しずつ巣に近づこうとしていたようです。オスは巣にたどり着きましたが、メスの警戒心は相当なもので、私がそばでカメラを構えていたため、それを気にして巣には近づきませんでした。


そんな様子を動画で撮影しました。下手な動画ですが、もしよろしければご覧ください。

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中庭からタワーを見上げるウサギの置物。

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ひときわ背の高いタワーの高さは68.6mもあり、「あの上にのぼってみたいね」となり、係の人に尋ねたところ、「ガイドツアーに参加してください」と言われました。
タワーツアー:(詳細は公式サイトで確認ください。)
1人/7ポンド、水~金 14時30分、土曜日 13時30分、14時
ちょうどタイミングが良ければ参加したかったけれども、歩いてのぼるとしたら大変そうということで断念しました。

このタワーより、9時、13時、17時(週末は16時)にチャイムが鳴ります。このチャイムの音も『グロースターの仕たて屋』に登場します。

「グロースターじゅうの古い家の屋根や、切妻から、クリスマスの唄をうたう千もの喜びの声が聞こえてきた。私の知らない―例えばディック・ウイッティントンが聞いた鐘のような―唄もいくつか。」
『グロースターの仕たて屋』より ビアトリクス・ポター(著)石井桃子(訳)

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『ディック・ウイッティントンとねこ』
皆さんも聞いたことがあると思うイギリスの民話ですが、14世紀に3期ロンドンの市長を務めたリチャード・ウイッティントンにまつわる話です。貧しい少年が飼っていたネズミ捕りが得意なネコが、外国でネズミを退治し、その褒美で大金持ちとなる物語です。その時に聞いた教会の鐘の音が「もどってこ~い、ウイッティントン、3度ロンドンの市長になる!」と聞こえたという有名なお話です。

ビアトリクスは、クリスマスイブの晩に聞こえた大聖堂の鐘の音と、ディック・ウイッティントンのエピソードを重ね合わせ、おはなしにより深みを与えたのでした。


そんなグロースターの鐘の音をラッキーにも聞くことができました。この鐘の音は曜日によってメロディーが替わるそうで、私達が聞いたのは金曜日の午後1時の鐘の音です。グロースター・アンティークショップの裏庭より、大聖堂の素晴らしいロケーションで鐘の音をお聞きください。途中で音が途切れた時に聞こえるのは、市内を我が物顔で飛び交う海鳥の鳴き声です。

クロック、ベル&チャイム:曜日によってチャイムのメロディが替わります。
(詳細は公式サイトでご覧ください。)

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大聖堂の前にあるポストに投函。
毎回、旅に出るとポストカードを送るようにしていますが、今回は大聖堂の前にあるポストに投函しました。

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自分宛てに送ったポストカード
帰宅して1週間後ぐらいに届きました。「なんとか無事やってます。でもやっぱり疲れるなぁ。英語は苦手だし。きっともう二度と来ないと思うのでEnjoyしますね。」と書いて送ってました。もう二度と来ない?本当か??

ランチは、お腹ペコペコになりながらも14時まで我慢したのは、アフタヌーンティーセットのためでした。

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場所は、「グロースターの仕たて屋の家」アトラクションの目の前にある「リリーズ レストラン&ティールーム(Lily's Restaurant & Tearoom)」。

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The Tale of Peter Rabbit Afternoon Tea 30ポンド(2人分)ティーメニューは14時から。

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メニュー:
サンドイッチはチキンかチーズのどちらかを選んで、Bunnyショートブレッド、コットンテールのキャロットケーキ、ブラックベリータルト、紅茶のティーポット

疲れ切った体に甘いものが染み渡ること、美味しいのもさることながら、見た目も可愛いし、食べた後のピーターも可愛くて、女子高生のようにきゃぴきゃぴ?しながら食べてたら、周りのテーブルの注目を浴びてしまいました。スタッフも「おい、あいつら見てみろよ。おかしなやつらだぜ(笑)」って言ったかどうかは分かりませんが、この時間がこの旅行で一番楽しかったのでついはしゃぎすぎました。

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グロースター駅(ウェストゲート通りから徒歩15分ぐらい)
この後、グロースター駅からロンドンまで電車で向かいました。ツアーバスは、朝早くに資料館の皆さんを乗せてコッツウォルズに向かったので、私達3名はグロースターの帰りから個人旅行となりました。移動中に邪魔になるスーツケースは、ツアーバスに乗せてもらい、ロンドンのホテルでピックアップしました。

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切符は、レイル・ヨーロッパで、オンライン注文しました。切符の発行は、事前予約番号さえ分かっていれば、駅の切符売り場で購入可能です。とても簡単ですが、手数料が1500円かかります。オンラインで予約した際、「座席指定券は含まれています」と明記されていたので安心していたのですが、現地で切符に交換すると座席番号の明記がありません。駅員さんに確認すると、この切符は座席指定に交換できないと言われてしまいました。

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発車時刻予定の電光掲示板。
ちょうど通勤時間だったようで、分刻みで電車が到着していました。私達が乗車する16時43分発のひとつ前に到着した電車は、日本の山手線並みの満員電車だったのでびっくり。私達が乗る電車も満員だったらどうしようと不安がよぎります。

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グレート・ウェスタン・レイルウェイ(GWR)でグロースターからロンドンのパディントン駅まで、約2時間乗車。料金:31.5ポンド

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私の心配をよそに、電車はガラガラで、座席の上の電光板表示に何も表示されていない席は勝手に座っても良い席で、私達の車両にはほとんど人が乗車していないぐらいでした。ロンドンに近づくにつれ、座席はほぼ埋まってしまいましたが。

パディントン駅で地下鉄ディストリクト・ラインに乗り換えるために地下通路を歩いていた時、英国紳士に呼び止められ、いきなり肩を鷲掴みされたので、びっくりして固まっていたら、私の足にくっついてたトイレットペーパーをわざわざ剥がしてくれました。

震える声で「センキュー」と言ったけれど、彼は微笑み、片手を挙げて去っていった。友人たちもその姿を呆然として見てたけど、「そういえばおかしなものくっつけてるなぁーと思った」だって。「知ってたなら教えてよ!(笑)」笑い話で良かった。電車のトイレの床が汚れていたけれど、その時にくっつけてしまったみたい。ロンドンにやってきた緊張で、お財布気を付けなきゃ、変な人に絡まれないようにしなきゃとか、自分の足元にまで気を配ってませんでした。とんだ笑い話です。

いよいよ最終地のロンドンです。旅行記を書くのに2年以上もかかってしまいました。ロンドンの旅行記はちゃちゃっと書く予定です。この続きは次の旅行記ブログにて。最後までお読みいただきありがとうございました。
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ラピータ

ピーターラビットの生みの親ビアトリクス・ポターの研究家で、作品について、開催されたピーターラビットのイベントやグッズ紹介、ピーターラビットの故郷英国について紹介するホームページ「ラピータの部屋」のブログです。
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