富士山のお仕事2

富士山のお仕事後半戦の記事をアップする前に、9月10日で富士山の閉山と共に仕事も終了しました。この仕事が始まる前は憂鬱で、自分に果たしてできるかどうか不安でしたが、終わってみればあっという間の2カ月間でした。

後半戦は、朝番が多く午前2時に起床し、3時過ぎに出勤です。町中を抜けて富士山への一本道に入ると、道路脇にシカが現れます。シカは道路を横断しようとして、車が来る気配がすると警戒して立ち止まることが多いのですが、すぐ目の前を横断したこともありました。こちらも寸前でブレーキをかけたのでシカとぶつかることはなかったのですが、もし間に合わなかったら車もシカもどうなっていたことやら。

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午前5時前後に見られるご来光は、朝番の特権です。ご来光は山頂で見るものと考えていらっしゃる方も多いのですが、登山道の入口ですら刻々と空の色が変化する天体ショーが見られます。御殿場口は東名御殿場ICより、30分も走らせれば到着でき、天気が良ければご来光がご覧いただけます。朝5時前に来ていただければですけどね。

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富士山頂で約20mの風が吹いていた日は、風下に向かって空を泳ぐ魚のような雲が現れました。

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水蒸気が多い日は、麓に雲海が広がり、朝日が当たって美しい色合いになります。

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富士山に観光へいらした方に、御殿場口の鳥居越しに山頂が撮影できますよと伝えると、喜んでもらえたのが嬉しかったです。

富士山は五合目までは観光地気分で散策できますが、そこから上は観光気分で気軽に登山できる山ではありません。登山日和ならまだしも、いつ何時天気が急変するか分からないですし、しっかりと装備を整えて安全に登山してもらいたいと切に思いました。

特に外国人の方は軽装備の方が多かったです。雨の日にコンビニ合羽で夜の8時過ぎから登山されようとした方がいて、すでに体は震えている状態で、体が冷え切っている為に手首では体温が測れません。登山口でそのような体調ですから、どんなに頑張って登山しても、状況はさらに悪化するのは容易に想像できました。それでも登山されるとおっしゃるのを丁寧に説明して、納得していただくまで15分ぐらいかかりましたが、また別の日の好天にチャレンジしてくださいとお願いし聞き届けていただきました。

富士山は、峰が連なる険しい山々に比べて、独立峰で比較的登山しやすいと言えども、日本一の高さを誇る山ですから、標高が上がるにつれ気温も下がりますし、高山病の危険もありますす。特に今年は疲労や低体温症になり、救助を頼まれる方が多かったそうです。

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4つある登山道の中でも御殿場ルートは、富士宮ルートより1000mも標高が低い為、山頂までの距離が長く、身を隠すところが全くない砂漠のような登山道を永遠と登らなくてはいけません。自分の体力を過信することなく、身動きできなくなるまで頑張るではなく、その前に体調と相談して勇気ある下山を選ぶことも大事なポイントです。

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富士山、本当に魅力的な山、みんなに愛されている山、ここで仕事をすることで富士山への愛が深まりました。もっともっと富士山のことを知りたいと思いました。

また来年も富士山で仕事して、富士山を愛する人たちとの出会いを楽しみたいと思いました。仕事中はなかなか更新できず失礼しました。最後までお読みいただきありがとうございました。
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ラピータ

ピーターラビットの生みの親ビアトリクス・ポターの研究家で、作品について、開催されたピーターラビットのイベントやグッズ紹介、ピーターラビットの故郷英国について紹介するホームページ「ラピータの部屋」のブログです。
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