「That Naughty Rabbit」英語力ゼロなのに翻訳しちゃいました

ThatNaughty Rabbit2002s
That Naughty Rabbit: Beatrix Potter and Peter Rabbit
著書:ジュディ・テイラー
1987年出版 改訂版:2002年出版
フレデリック・ウォーン社

ビアトリクス・ポター研究に必要な書籍は、日本語翻訳されていないものも多いです。この書籍もそのひとつで、知りたい知識がここにあるのは分かっているのに、読めないもどかしさ。でも気になります。そこで、何年かかけて少しずつ読みたいページから翻訳しましたが、本1冊、丸ごと翻訳するなんて無理と諦めていました。

ところが、英語力はゼロなのに、よしやろうと突然思い立ち、まずはこの書籍の最初のページから翻訳を始めました。文章の単語をひとつずつ追っていては時間がかかるので、翻訳サイトにもお世話になります。しかし、翻訳サイトも意味不明なことが多く苦労します。それでも諦めずにコツコツと、なんとかすべてのページを翻訳しました。

この書籍は、ビアトリクス研究の世界的権威のジュディ・テイラーさんが1987年に出版したものです。1987年にビアトリクスの絵本シリーズの印刷のすべてを見直すことに着手し、完全に再構築されました。それを記念してビアトリクスとピーターラビットに特化した内容を執筆されました。さらに2002年に出版されたリニューアル版は、ピーターラビットの出版100周年を記念して、絵本全体のデザインを変更することに着手し、それらの内容を追記したものです。

この書籍の構成は、第1章ペットのウサギについて、第2章ピーターラビットが誕生するまで、第3章ピーターラビットグッズの始まりと市場拡大まで、第4章は1987年の新装丁版について、第5章出版100周年リニューアル版について、と紹介されています。ウサギが好きで、ピーターラビットが好きな方には面白くてたまらない本です。さらに後半の4章と5章は、印刷のお仕事されている方には大変興味深い内容になっています。

なにしろ、1902年の初版が出版された当時、ようやく銅板で3色刷りのカラー印刷が、安価な価格で提供できるようになったばかりのこと。2002年に出版100周年を迎えるまでの間、世界大戦を乗り越え、時代はデジタルとなり技術の進歩は凄まじく、初版から版を重ね、様々なモデルチェンジを経て、2002年のリニューアル版まで、印刷の100年間の歴史を知ることもできます。

特に素晴らしい仕事をやってのけた2002年の出版100周年リニューアル版は、タイポグラフィーの存在と、イギリスの伝統的な活字「ファンダーズ・カスロン」です。私も初めて知りましたが、「活字に迷ったらカスロンに頼れ」と言われるぐらい、時代を超えて愛される活字だそうです。この活字を制作したウィリアム・カスロンの解説もあり、さらにコンピューター用のフォントとして正確に再現したジャスティン・ハウズの功績についても触れています。ここまで書くと印刷マニアの方が喜んでくれそうな内容ですよね。

この書籍は絶版なのか、もちろん中古では買えますが新しくは出ないようです。吉田新一先生の著書『ピーターラビットの世界』(日本エディタースクール出版部 1994年出版)の第9章で、こちらの1987年に出版された第3章のピーターラビットグッズに関して、その内容の一部が紹介されています。この部分だけ読んでも面白くて興味深くて、だからいつか全部読みたいと思ったことがようやく叶いました。

翻訳が趣味だなんて、ちょっと恥ずかしいけれど今はそれぐらい夢中になってます。ビアトリクスの書いたものを全部知りたいという気持ちが私を突き動かしてます。私には肩書がないので自称ですが、BP研究家としてこれからもコツコツと積み重ねていきたいと思います。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
関連記事
スポンサーサイト



ラピータ

ピーターラビットの生みの親ビアトリクス・ポターの研究家で、作品について、開催されたピーターラビットのイベントやグッズ紹介、ピーターラビットの故郷英国について紹介するホームページ「ラピータの部屋」のブログです。
ブログに掲載している写真&文章は、すべて転載禁止です。

検索フォーム

ブログ訪問者

月別アーカイブ