特別展に行ってきました

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特別展初日、丸善の丸の内本店4階ギャラリーへ行ってきました。まずは特別展開催のためにご尽力いただいた方々へご挨拶を済ませ、一歩会場へ足を踏み入れるとその明るさに驚きました。白を基調として天井も高く、壁側は一面窓で覆われ明るく照明もまぶしいぐらいです。このような明るい場所で開催して、ビアトリクス・ポターの繊細な水彩画作品は大丈夫だろうかと心配しましたが、今回は書籍の展示が多く、原画も一部あるものの開催期間が短いというご判断なのでしょう。

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ギャラリー入口のみ撮影可能です。

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お母さんウサギのお洋服、袖口のフリルが水玉模様になっていました。

ビアトリクスの原画は、正面入り口の大きなパネルの裏にあります。しかし動線で、壁側にある展示を1周して、最後に吉徳のひな人形の圧倒的な美しさに見惚れてしまうと見逃してしまいます。これら原画は、大学一押しの重要なコレクションで、その中でも特にお勧めがあります。

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なんとその作品が、鮮やかなポスターとしてディスプレイされていました。丸善1階と2階に設けられたピーターラビットグッズコーナーの天井近くにあります。このポスターになったオリジナルの原画は、1927年ビアトリクスが湖水地方最大の湖、ウィンダミア湖にあるコックショット岬の土地が売りにだされた時、景観を守るためウィンダミア基金を募るために描かれた50枚の内の1枚です。原画を見るといつも同じ気持ちになるのですが、色合いがソフトタッチなのに引き込まれる世界観があり、色の使い分けと描写力に長けているからこそ見るものを圧倒する力があるのですね。ディスプレイ用のポスターも、販売してくださったら嬉しいのにというぐらい素敵でした。

また、会場で私のブログのファンという方にもお会いして、「ずっとファンで見てます」と言われて顔から汗が噴き出ました。こんな嬉しいサプライズはほぼないので、こんなブログですが読んでくださって有難い気持ちになりました。もう少し続けようという励みにもなります。そう、なんと私も今年還暦なんです!あはは、笑うしかないですが、ホームページもブログもいつ辞めようってそんなことばかり考えてます。そういう考えを抱くと、それを打ち消してくださるかのように、ファンです!っておしゃってくださる方が目の前に現れるのです。不思議ですね。その方とは、他にも色々とお話させてもらいましたが、その話はいつかまた別の機会に。


前回のブログで紹介した『ピーターラビットのおはなし』誕生以前、ビアトリクスが挿絵画家としてデビューしていた頃の1890年代の書籍が展示されているコーナーを注意深く見ていただくと、絵本の大きさがピーターラビットと比べ約3~4倍ぐらい大きいことに気づいてもらえると思います。

ビアトリクスが絵本作家としてデビューする少し前までの児童書は、大きな本が主流でした。そしてまだ高価だったカラー印刷で、おしゃれな洋服を来た動物が登場します。そんな書籍の「捨てカット」としてビアトリクスの挿絵は採用されました。捨てカットは、物語に関係のないページの余白を埋めるための挿絵です。

そんな折、1899年に『ちびくろサンボの』が小型本で出版されました。ちょうどこの頃、それまで高価だったカラー印刷が、技術の発展により安価な価格に抑えられることができました。そしてビアトリクス自身の切なる希望が、手のひらサイズで子供がお小遣いで買える価格にしたいという、出版社とビアトリクスの意見が一致し、商業出版されました。時代がビアトリクスという先駆者を迎え入れたかのように、この本は売れるべくして売れ、そしてどのような識者からも合格点をいただける作品だったため、時代を超えて私達にひと時の安らぎを与えてくれているのだと思います。

そんな1890年から1902年までの時代の流れを、入口から一番奥の『ピーターラビットのおはなし』初版本まで、ご覧になられるという滅多とない貴重な展示となってます。

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それから、正面入口パネルの窓側にある展示品にも注目してください。2022年頃から掲載が始まったと思われるピーターラビットのトレードマーク(TM)に必ずビアトリクス・ポターというロゴがありますが、これはビアトリクスの直筆サインをロゴ化したものです。本人のサインが入った書籍が展示され、本物のサインがご覧いただけます。ビアトリクスは、お世話になった方々にサイン入り絵本をプレゼントしたそうです。展示されているのは、『パイがふたつあったおはなし』のサイン本で、ビアトリクスが亡くなった年のサインがあります。

余談ですが、イギリスのオークション番組「アンティーク・ロードショー」で、『パイがふたつあったおはなし』の資料館所蔵の書籍と同じビアトリクスが亡くなった年のサインがある書籍の価値が、なんと12,000ポンド(放送当時187万ほど)という価格になりました。「貴重なビアトリクスの絵本の評価額は、想像を絶する価値がある」という見出しで記事になったほど評判になりました。

そういった貴重なものもコツコツと収集してくださり、このような機会を設けていただき、ビアトリクスのファンの一人としては感激一入ですが、たまたま立ち寄られた本好きの方々にも関心を寄せていただければさらに嬉しいです。大東文化大学ビアトリクス・ポター資料館の皆さまと、制作協力してくださった東映の皆さまには、本当に感謝申し上げます。ありがとうございました。

残り3日間、最終日は15時で終了です。資料館で再びご覧いただけますが、この機会にぜひお立ち寄りください。図録もよろしかったらぜひお手にとってご覧ください。

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グッズコーナーですが、特別展のための大東文化大学創立100周年記念オリジナルグッズも販売されています。大東大には全国の大学で初の「書道学科」が開設され、書道教育でも有名です。名だたる書道家の先生方は、大東大出身の方が多いと聞きます。オリジナルグッズは、今回の特別展のために考案された書道筆を持ったピーターがデザインされた化粧筆と、和紙一筆箋、それから創立100周年記念ロゴをデザインした珪藻土コースターの3点です。

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和紙一筆箋の筆を持ったピーター

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熊野筆と大東大がコラボして製作された化粧筆。シルバーに光る部分に筆を持ったピーターがデザインされてます。見えますか?

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丸善のピーターグッズコーナーは、1階と2階と4階にあり、1階と2階は7月31日まで、4階は会期終了の11日まで開催されています。図録も7月31日まで購入できます。それぞれの階で販売されているグッズが異なりますので、ぜひチェックしてください。

帰りに丸の内オアゾから徒歩2分のところにある、三菱UFJ信託銀行博物館と三菱UFJ銀行に立ち寄るのをお忘れなく。以前よりスタンプがひとつ増えていましたよ。また長文となり読みづらくて申し訳ございません。最後までお読みいただきありがとうございました。
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ラピータ

ピーターラビットの生みの親ビアトリクス・ポターの研究家で、作品について、開催されたピーターラビットのイベントやグッズ紹介、ピーターラビットの故郷英国について紹介するホームページ「ラピータの部屋」のブログです。
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