車中泊10日目のコース:この日の移動距離354㎞
道の駅なんごう → 蕪島神社 → 世界遺産 橋野鉄鋼山 → 気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館 → さんさん南三陸商店街 → 道の駅上品の郷(入浴・車中泊)
車中泊10日目はウミネコの繁殖地として有名な青森の蕪島(かぶしま)神社へ向かいました。蕪島がウミネコの繁殖地なのは、元々は離島だったため天敵が少なかったことと、八戸湾に餌となる魚が豊富だったことが考えられるそうです。現在は陸続きとなっていますが、毎年2月下旬頃に3万羽ほどでやってきて、子育てし4万羽ほどに増え8月上旬には蕪島を去りどこかに行ってしまうそうです。
この神社は、NHKの「ドキュメント72時間」で知り、なんて素敵なところだろうと思ったのです。名前の由来は、蕪の花が群生していたことからだそうで、小高い丘の上に神社があります。とても小さな島ですが、地域の方々が中心となりウミネコの繁殖を見守っているとか。これならウミネコも安心して子育てできますね。しかし肝心のウミネコは、9月末に訪れたので1匹もいません。もしウミネコたちが見られる時期でしたら、運が良くても悪くてもフンを被る被害が相次ぐそうで、ビニール傘が貸し出しされていました。
社殿は、2015年に焼失し、2020年に再建されたものです。弁財天を祀っているため、商売繁盛、漁業安全の守り神として古くから親しまれていたそうですが、その名前から株が上がるということでもご利益があるとか。
そんな社殿を再建する際、宮大工が宮司の干支である寅と、奥さまの干支である卯の飾りを付けるという粋な計らいをされました。
ウミネコみくじは、おそらく日本でここだけではないでしょうか?!(600円)みくじは「大吉」で、脇目もふらず一心に励めと書いてありました。年なので何をするにも「しんどい」が口癖のようになっている今日この頃ですが。
ここから三陸道を南下します。三陸道は、震災復興のために作られた道路で、青森、岩手、宮城の太平洋沿岸を結ぶ359㎞の自動車専用道路です。通行料は一部区間を除いてほぼ無料です。道路には、トイレ休憩する場所もガソリンスタンドもありません。もし必要ならば、一般道に降りて近辺にある道の駅なり、コンビニを探すことになります。パーキングエリアぐらいあればよいのにと思いますが、快適な道路を無料で進めるのは魅力です。
快適でしたが1点だけ、三陸道に合流する際、合流する車は本線が切れるタイミングを待つのがローカル・ルールのようで、入ってくる道路のために車間を空けてスピードを落としても合流してきません。このローカル・ルールに慣れなくて、どのタイミングで入ってくるのか、合流地点に車が来るたびにひやっとしました。
トイレ休憩で三陸道を降り、道の駅たのはたへ。東日本大震災で甚大な被害を受け、2年前にリニューアルオープンしました。ひさしが大きくて雨の日でも安心な建物は、地下1階、地上2階建てで、災害発生時の一時避難先になるのはもちろんのこと、滞在型道の駅ということで、泊まれる古民家やキャンピングカー専用駐車場も用意されていました。
ランチは、レストランがまだ閉まっていたので、テイクアウトのメカブ蕎麦と、かき揚げ蕎麦にしました。
再び三陸道に合流し、岩手県釜石にある世界遺産の橋野鉄鋼山へ。ここは、江戸時代末期の高炉工場跡があり、明治にかけて日本の産業である鉄づくりの一躍をかった場所です。産業遺跡としてその時代の重要な場所ではありますが、崩れた石積みがあるのみでした。鳥取県の石見銀山ような鉄鉱石掘削場が見られるという訳ではなく期待外れでした。
そんな私達の前に突然現れた鹿!ちょうど1か月前、我が愛車のうさ吉号に鹿がぶつかり、修理したばかりで憎き鹿ですが、目の前にぴょんと軽やかに現れるとやっぱり可愛いですね。
次に訪問したのは、気仙沼市の東日本大震災遺構・伝承館です。津波で被災した気仙沼向洋高校の旧校舎を震災遺構として保存・展示しています。受付で入館料と説明を受けた後、震災当日の津波の様子を撮影したものをまとめたビデオを見た後、遺構内を見学します。
校舎は気仙沼港のすぐ近くにあり4階建ての校舎の4階の膝下(120m)まで津波が押し寄せました。生徒たちは地震発生5分後に近所のお寺へ避難し、さらに高台にある中学校へ避難し助かりました。校舎に残られた先生方も屋上へ避難し助かりました。校舎内には津波で押し流された乗用車が、校舎3階の高さに突っ込んでました。
また校舎の間の家が引っかかっていた場所は、津波の引き波の通り道となり、流されてきた車が何台も折り重なった状態のままで時が止まっていました。
中庭には昔の卒業生が植樹したヒバの木があり、津波に耐えその後も成長を続けているそうです。この木だけは、失われた時間を取り戻すべく、今後も遺構のシンボルとして育って欲しいです。
本当は大災害なんて起こらない方がいいのだけれど、当たり前の生活、当たり前の幸せがどれほど大切な時間なのかということを改めて感じさせてくれるきっかけとなります。
気仙沼からこの日の車中泊に予定していた道の駅さんさん南三陸へ向かう際、バケツをひっくり返したような大雨に見舞われました。この道の駅は、南三陸311メモリアルも兼ねていて、翌日見学する予定でしたが、駐車場からトイレまで距離があり、大雨で断念しました。
南三陸町防災対策庁舎跡
3階建ての屋上2mまで津波に覆われた建物です。以前は遠くから手を合わせましたが、周辺の整備も進み、建物のすぐ近くまで行くことができるようになりました。改めて見ましてもこんなに高さのある建物なのに、一瞬ですべてをのみこむ自然災害の恐ろしさを感じます。
道の駅南三陸の隣は、さんさん南三陸商店街です。大雨でお客さんもなく、お店もほとんど閉まっていました。その中で唯一食べられたのが、創菜旬魚はしもとです。宮城県産ロースカツ膳をいただきました。海鮮ちゃうんかい!ってつっこまれそう(笑)
車中泊したのは、日帰り温泉施設が併設されている道の駅上品(じょうぼん)の郷です。ここは、温泉だけでなく、コンビニもあるしガソリンスタンドもあるし、車中泊車にとって天国のような道の駅です。建物に大きなひさしが付けられているので、大雨でも傘要らずでトイレはもちろん温泉施設まで歩いて行くことができます。
併設されているふたごの湯は、塩分と鉄分が多い茶褐色のお湯です。水風呂は源泉そのもので、お風呂は源泉を沸かしているため色が少し薄まります。お湯は熱いので水風呂とセットで交互に入ると気持ち良かったです。
大雨でどうなるかと思いましたが、近くに上品の郷があってよかったです。次の日は、宮城県を横断し、茨城県へと移動しました。この続きは次の車中泊ブログにて。最後までお読みいただきありがとうございました。
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